好きが伝われ
何か言いかけた瞬間に花火の音がした。


振り返ると今日の花火大会が始まったみたいで、夜空にキラキラと花が咲く。


しかもここからだとちょうど正面に見えて、すごく綺麗。


「俺と花火、二人で。見たかっただろ?絶対」

ドキッ

なんで、、そんなこと分かるの。

図星だって思われたくなくて、ずっと花火を見つめてると後ろから声がした。



「紫衣、こっち見て」

いつも以上に優しい声で呼ぶ翔太の方を向くと跪いてた。


翔太の大きな手の中には、小さな箱。


それを開けると、中にはキラキラ光る石。

「俺と結婚してください。」


「え、あ、あの。これは。その現実で…

ふぅ、あ、私。えっと、その」


今起きてる事が、脳で正常に処理されてない。

感情が先走りすぎて。



でも、、とめどなく溢れる涙は本物で。

この嬉しさで張り裂けそうな胸の痛みも本物で。

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