好きが伝われ
【side翔太】
どうも、また俺です。
やばい、ついに紫衣が部屋にこもってなにかしてる。
あいつ、何してんだろ。
そう思うけど、さすがに部屋にズカズカ入る訳にも行かないし。
携帯を勝手に除くのも違うだろ。
だから直接聞こうとするけど、避けられる。
どうすりゃいんだ?これ。
「じゃ、今日もお互い頑張ろ?」
「あぁ。」
仕事はいつも、俺が先に出て、紫衣はその後。
まぁ出勤時間が少し違うし、勤務先も違うから当然だけど。
今日は少し不安だった。
「しょ…っ」
紫衣が俺の名前を呼ぶ前に唇を塞ぐ。
「紫衣…好き?俺の事」
なんて柄にもなく聞いちまうくらい、俺は今焦ってた。
紫衣は少し驚いた顔をして、その後すぐに笑って
「うん、大好きだよ」
そう言って俺の頬にキスした。
「ほら、遅刻しちゃうよ、早く行かなきゃ」
「ん、じゃあな」
俺は仕事に出た。
紫衣が大好きだって言う時は、決まって俺に嘘ついてる時。
切り替えなきゃな。