好きが伝われ

【side翔太】

どうも、また俺です。


やばい、ついに紫衣が部屋にこもってなにかしてる。

あいつ、何してんだろ。


そう思うけど、さすがに部屋にズカズカ入る訳にも行かないし。

携帯を勝手に除くのも違うだろ。


だから直接聞こうとするけど、避けられる。



どうすりゃいんだ?これ。

「じゃ、今日もお互い頑張ろ?」

「あぁ。」


仕事はいつも、俺が先に出て、紫衣はその後。

まぁ出勤時間が少し違うし、勤務先も違うから当然‪だけど。



今日は少し不安だった。

「しょ…っ」


紫衣が俺の名前を呼ぶ前に唇を塞ぐ。

「紫衣…好き?俺の事」


なんて柄にもなく聞いちまうくらい、俺は今焦ってた。

紫衣は少し驚いた顔をして、その後すぐに笑って


「うん、大好きだよ」

そう言って俺の頬にキスした。



「ほら、遅刻しちゃうよ、早く行かなきゃ」

「ん、じゃあな」


俺は仕事に出た。


紫衣が大好きだって言う時は、決まって俺に嘘ついてる時。

切り替えなきゃな。
< 166 / 177 >

この作品をシェア

pagetop