好きが伝われ


「これより最後の種目、色別リレーを行います」


ついに、体育祭の種目も閉会式を残してこれが最後になる。

何で私が走ることに…種目決めの時の自分を、今すぐ叩きたい。



「位置について…よーい…パァン!!」


走る順番は、もう一つのクラスの男の子からバトンをもらう。

それで、私は翔太にバトンを届ける。



ミッションは簡単。とにかく翔太にバトン届ければ良いんだ。

頑張ろう。


すぐにバトンが回ってきた。


「紫衣!頑張れ!」

翔太の叫ぶ声が聞こえる。


隣を走る人に抜かされそうな所を踏ん張って差をつけて、翔太にバトンを渡せた。



「紫衣ちゃんナイス!」

莉玖君が手を振ってくれる。

私は息を切らしながらそれに答える。



「赤組が勝ちました~!!」

リレーは何とか赤組が勝った。


閉会式と表彰式。

優勝したのは、青組で何とも言えない情況だった。

リレーは勝ったのにな~



ま、ちゃんと走れたし、なんでもいいかな!


「紫衣お疲れ」

「翔太こそ、お疲れ様」


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