好きが伝われ


「そーいうとこ」

「意地悪」

「そのつもりは無いんだけどな」



そう言って、翔太は雑誌を眺め続ける。



全然私の事見てくれないし。
可愛いって言う割に。


「紫衣…?」

「んー?」

「降りて。」


やっとこっち見たと思ったら、降りてって。

「重くてすみませんでしたあー」

「そんなこと言ってねーし。」

「もー私寝る」


そう言って立つと、手を握られて

「髪の毛乾かしてから寝ろって毎回言ってんだろ」

怒られた。


髪の毛乾かすのがすごく嫌いで、でも翔太はやれって。

「じゃあ、翔太が乾かして!私やりたくないもん」


わがままを言ってみると、案外すんなりやってくれた。



人に頭触られてると、眠くなってきちゃう。

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