好きが伝われ

2

夏休みが近づいてくるけど、その代わりに宿題が増えていく。


はぁ、宿題がない夏休みが欲しいなぁ。

学生のうちは無理か。さすがに。



「夏休み、なにする?」

「えー、花火でしょ?海でしょ?BBQでしょ!?」

「いや多いデスネ…」



歩夏と授業のあいだ休憩で、夏休みの計画を立てる。

けど私はやりたいことが多すぎるんだよね。

でもだからってどれも妥協はしたくない!



「それ、全部一気にできちゃうよね」

後ろの席の莉玖君がサラッと言う。


全部一気に?

「あーそっか。海でBBQして、花火すればいいのか!」

「そういうこと」

「なにそれなにそれ!楽しそうじゃん!早くやりたい!!」



盛り上がらずにはいられなかった。

夏休みの事考えるだけで、ワクワクが止まらない。


「じゃ、夏休み前のテストは赤点なしでよろしくね」

莉玖君は爽やかな笑顔で言う。


て、テスト…

「忘れてたぁ!」



赤点とったら、その科目の補講が1週間くらいある。

そんなのいやぁ。残酷すぎる…



「私たちは多分平気だけど、紫衣がやばいよなぁ」

「歩夏ぁ。そんなこと言わないでぇぇー」


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