好きが伝われ
翔太の部屋に入る。
相変わらず何もない部屋だなぁ。
必要最低限のものしか置いてない。
ベッド、机、タンス、電気。
写真とかポスターとか、男の子の部屋ってそういうのないの?
ま、翔太がそういうタイプじゃないことくらい知ってるけど。
「よし。やるか」
気を利かせてお茶を持ってきてくれた。
よし。とにかく頑張るぞ。
「じゃー、数学の教科書の12ページの問題とりあえず解いて」
「え!あ、はい」
言われた通りの問題をやろうと思ったけど、さっぱりわからなかった。
「やっぱりダメだったか。まぁいいや。じゃ説明するからよく聞いてろよ」
「はい」
ツラツラツラツラと翔太が説明してくれる。
説明がうますぎる、この人は。
だって一回聞いただけで、解き方わかったもん。
天才なの?翔太はほんとは天才なの?