好きが伝われ


「いや、違うって!ここはこの公式って言ってるだろ?」

「は、はい」


一度説明したものに関しては、とことん厳しい。

だから覚えられるんだけどさ。




「今日はこんなもんでいいだろ」

「あー、疲れた~」


床に転がる。

ずっと座ってたから、腰が痛い。



結局今日は、数学しかやってないなー。


あ~眠い


「寝るなよ?」

「じゃー、翔太が作ったココア。あれが飲みたい」

「しょうがねーな。寝るなよ」


翔太は部屋を出て、キッチンに向かった。


翔太が作るココアは、甘過ぎなくて美味しい。

実際は、翔太のお母さん直伝らしいけどね。


出張で忙しい両親。
いつも一人で、家のことやって、勉強もできて。

本当にすごいなぁ。

実は密かに、尊敬しちゃってる。


翔太には内緒だけどね。



それにしても眠い。

あくびまで出てきちゃう。



目をつぶるだけ。寝ないから大丈夫。

寝ないから…



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