好きが伝われ
SHRが始まる。
「紫衣ちゃん、紫衣ちゃん」
後ろから声をかけられる。
私の後ろの席は、これもまた中学からの友達の三宅莉玖(みやけ りく)。
莉玖君は翔太と仲が良くて、いつも二人で遊んでた記憶があるな~
「なに?」
「今日カラオケ行かない?他のクラスの子たちもいるんだけどさ~」
「あー。どうしよっかなぁ」
他クラスの子とつながるのはいいんだけど…私結構人見知りなんだよなぁ。
でもまぁ、試しに行くのもありだもんね
「じゃあ…」
行くっていおうと思って他のに、翔太が遮ってくる。
「だめだ」
翔太は莉玖君の隣の席。私から見れば斜め後ろの席。
しかもなんで翔太が勝手に決めてるの?!
私が誘われたのに。
「今日は寝坊したお詫びに、俺の家で片付け」
「えぇ!なんでよ、そんなのさっきは言ってなかったじゃん!」
「今言った」
こいつ~
「そっか、じゃまた今度な」
莉玖君も納得しちゃってるし。
「歩夏は?行かない?」
「あ~、今日部活だ」
歩夏はサッカー部のマネージャーやってる。
うちの高校のサッカー部は結構強いらしくて、いつも忙しそうにしてる。
「そうか。じゃ、また今度な」
SHRも終わって授業になる。