好きが伝われ
「何で行っちゃうの~?」
「早く遊ぼうぜ?」
そういって私の肩に触ってくる。
ゾワってした。気持ちが悪い…
「やめてっ!」
その手をふりほどくと同時に、誰かに抱き寄せられる。
でもさっきみたいな嫌な感じはしなかった。…翔太?
上を見ると、はっきり翔太の顔が見えた。
「嫌がってる女の子、いじめちゃダメだよお兄さん方?」
この声、莉玖君?
「あ?なんなの君たち。」
「あ~、この子たちがさっき言ってた連れか?」
莉玖君は、大きくため息をつく。
「はっきり言わせてもらうけど、お兄さんたちみたいな格好の悪い人たちを、この子たちが相手にしてくれるわけないでしょ?」
「な、なんだと!?」
「よく鏡見てからナンパしたほうがいいよ?見たところ、今まで連敗でしょ?」
莉玖君が口で男らを挑発しまくる。
髭の男は、莉玖君に近寄る。今にも殴りかかる勢いで。
「殴るなら勘弁してくれる?俺殴り合いとか嫌いなんだよね。そういうのはそっちにいるやつが担当で…」
「うるせえ!バカにしやがって…」
怒りで少しだけ顔が赤い。
髭の男が莉玖君に殴りかかる。莉玖君はひょいとかわす。
その瞬間、髭の男は急にもがき始める。
「ど、どうした!?」
ナルシストっぽい男は、髭の男に近づく。
「く、くそ!い、いてぇ!」
莉玖君何もしてなかったよね?何をそんなに痛がってるの?