好きが伝われ
何で行くのを急にやめたんだろう。
行かないでくれたのは、よかったけど。
謎のままだけど、BBQ楽しみたい。
「ん~おいしい!」
自分たちで焼いたお肉は美味しいなぁ。
「いい加減機嫌直しなって、翔太」
莉玖君は肉をほおばりながら、翔太に言う。
そう。さっきから翔太は武士みたいに渋い顔しながら肉を食べてる。
まぁ、たぶん私に原因があることくらいわかってるけど…
「私、余計なこと言っちゃったね」
歩夏は申し訳なさそうに言う。
「そんなことない。翔太が俺みたいに紳士じゃないから悪い」
「あ、あぁ。あんた紳士だったっけ…」
なんか、むかついてきた。
「翔太!来て!」
翔太の腕をつかんで、少し離れたところに連れて行く。
「なんだよ?」
私は翔太のほっぺをつかむ。
「はぁ!?なにすんだぁ」
「なんかあるなら、私に全部言って!いま!楽しい想い出作りたいから!」
ほっぺから手を離して、翔太の返事を待つ。
「…悪かったな。俺が紫衣を一人で行かせなかったら」
え?そのことでずっと?
「肩だけとはいえ、知らないやつに素肌触られて…気持ち悪かっただろ?」
「翔太…そんなことで…」