好きが伝われ
私のことでずっと心配しててくれたんだ。
「そんなの…いいのに」
胸がほんわかするような感じがした。
翔太といると、安心する。
確かに、肩に触れられたときはすごく気持ちが悪かった。
でも…
「あの時…翔太が、来てくれたから、平気。翔太がいてくれるだけで、安心できるから。」
翔太は私を見てくる。
わ、私としたことが…
こんなこと翔太に言ったところでバカにされるに決まって…
「俺もだよ…」
へ!?
「ええええぇ!」
予想外すぎる展開に、大きな声を出してしまう。
「なんだよ!」
「だ、だって今ぁ!あのバカにすることしかできない翔太の口から、そんな素直な言葉が出るなんて…」
「…バカにしてんのはおまえだろうが!!!」
「いっつも翔太が私をバカにしてくるんだよ!」
「それは、紫衣がどうしようもなくバカなときだけだっつーの」
「嘘ばっかり!」
私たちはすぐに喧嘩しちゃう。
本物の兄弟みたいに。
でも、本当は…
「も~二人とも~!早く戻ってこないと全部食べちゃうよ~!」
歩夏が私たちに向かって叫ぶ。
え!お肉全部!?
「だめだめ~!!」
翔太と私は二人で走って戻った。