好きが伝われ


「ふ、2人?」

「そんなん、何人でも構わねぇよ」


なんだそれっ。

「て、ていうか。翔太人混み嫌いじゃん!」

「花火大会くらい平気だっつーの」

何を根拠に。


駅の人混みでも、すごいイライラするくせに。
花火大会なんて行ったら、キレるんじゃない?


「あぁ!二人とも何こんな時にイチャついてんの〜?

そんな奴らには…こうだ!」

莉玖君が何かをこちらに投げてくる。



それは足元に落ちて、シュルシュルとすごい速さでのたうち回る。

「な、うわぁ!!」

驚きすぎて、砂に足を取られる。

やばっ、コケるっ


ギュッ


翔太が間一髪で私を抱き抑える。

「っぶね。コケてたら今頃鼻血出てたな」

「あ、ありがと。」


今日、何回目だろ。

翔太に抱きしめられるのは。


嫌じゃないし、むしろ安心するけど。

でも、胸が痛くなる。苦しくなる。



これって…なんなの?
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