好きが伝われ


「おい!莉玖、お前!」

翔太は莉玖君を追いかけに行く。


「紫衣!」

「歩夏。」

花火を持って私のところに来た。


「線香花火、先に2人でやろ?」

「うん!」


私たちはしゃがんで線香花火に火をつける。

風邪に飛ばされないように。



「線香花火が落ちるまでは本音で話し合う」

「え?」

説明を聞く間もなく火が付き始める。



「私…ずっと、塩谷が好きなの」

「え?」

翔太が、好きって…


「紫衣は?塩谷のことどう思ってる?ただの…幼なじみ?」

「そ、、それは」

パチパチ

線香花火も激しさをましてくる。



「もし、そう思っていなくても、私の気持ちは変わらない。いつか想いを伝える。」

「歩夏…」

私の線香花火がポトンと地面に落ちて消える。



「あ!紫衣の負け〜」

いつもみたいに笑う歩夏。
その笑顔の奥は、覚悟で溢れてる。

「…変に意識しなくていい。いつも通りで。

だけど知っておいて欲しかったの。」
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