好きが伝われ
そんなこんなで、順調に祭りを楽しんでしまってる。
でも、どうせ一人だったし。
恒樹さんが、強引にだけど一緒にいてくれて助かった。
ふう、今日は一段と暑い気がする。
背中を汗が伝う。
「ちょっと、涼しいところ行こうか」
なんか、さっきから心読まれてる気がする。
私たちは、喫茶店に入り涼むことにした。
「あぁ~涼しいな」
外が見える席に案内された。
恒樹さんは紅茶を。私はカフェラテを飲む。
「紫衣ちゃんって誕生日はいつなの?」
「あ、私は11月16日です」
「11月なんだ~。スポーツ得意だよね?」
「何で知ってるんですか?」
「ん?勘だよ」
恒樹さん、何を考えてるのかな。
よくわからない。
ふと外を眺める。
っ!?
「どうした?」
外にいたのは、翔太…
しかも隣には、歩夏。
「あ~、そういうことね」
恒樹さんは一人で納得してる。
やっぱり、この前海の帰りに、告白して…そのまま
「何でこんな子ほっとくのかなぁ~」
頬杖をついて訳の分からないことを言っている。
じゃ、本格的に応援しなくちゃね。
「よし、じゃあ行こうか」
喫茶店を出て、なぜか駐車場に向かう。
「え?花火見るのはやめたんですか?」
「え~?そんなわけないじゃん、はいこれ」
渡されたのは、ヘルメット。
「秘密の場所まで、これで行くの。はい、乗って」
「え、あぁはい!」
恒樹さんのバイク。
黒くてかっこいいやつ。私バイクには詳しくないけど高いのはわかる。
恒樹さんの後ろに乗らせてもらった。