好きが伝われ
広い公園?
と、いうよりはほんとに空き地って感じ。
「あと少しで始まるから」
花火ここから見えるのかな?
まぁ、周りに森とかあるわけじゃないし見えると思うけど。
「俺のこと信じてよ」
自信満々に言われる。
疑ってないんですけど?
「ねぇ、紫衣ちゃんは好きな人いるの?」
「え?好きな人ですか…?」
最近よく振られる話題。
私に好きな人なんて…いない。
「その反応…フッ。まぁわかってんだけどね」
「え?なんのこと…」
ドンッ
急に音が響いて、空を見上げる。
綺麗で大きくて、キラキラしてる花火。
多分ここがやけに暗いから、花火が映える。
「すっご〜」
花が開いたと思ったら、また新しいのが来る。
形も丸だけじゃなくて、楽しくて。
でも、どこかで翔太に誘われた日を思い出す。
だから、少しだけ…寂しくなる。
「すごい…きれい」