好きが伝われ
花火がまだまだあがる。
音がさっきよりも大きくなってる気がする。
…歩夏は本音で言ってきた。
そういえば、莉玖君言ってた。
逃げなきゃわかることもあるって。
だったら私は逃げないで立ち向かうんだ、自分の気持ちに。
「恒樹さん、私頑張ります。」
「うん、頑張れっ」
優しすぎる笑顔で応援してくれた。
「じゃ、帰ろっか」
家まで恒樹さんに送ってもらった。
「今日はありがとう!楽しかった」
「なんだかんだ、私も楽しんでしまいました。」
「へ〜?俺のおかげ?」
…うぅ。それはたしかにその通りだ。
静かに頷くと、クスクス笑い声が聞こえる。
「それ以上可愛いとこ見せないで?俺死んじゃうでしょ?」
「なぁに言ってるんですかっ!」
普通に可愛いって言われたら恥ずかしいっ。
「じゃ、また学校で会おうね」
「はい。ありがとうございました。」
恒樹さんはバイクに乗って颯爽といなくなった。