好きが伝われ
「さっきの宿題。やりなよ?」
「あんなのやんねーよ」
「浦安が言ったとおり、翔太は無駄に勉強できるんだしやって損はないじゃない?これまでのはチャラにしてくれるんだし」
「はぁ。」
翔太はため息をつく。
翔太が黙ってため息をつくときは、なにかに納得したとき。
「ほんとにおこちゃまね、翔太は」
「うるせーよ、ばか」
翔太の家に上がる。
「ただいま~」
翔太の家には来すぎてて、第2の家みたい。
「あ!紫衣ちゃんだ」
「ほんとだぁ」
リビングには、翔太の弟のタケシとシュウがいた。
タケシは中学2年生で、シュウは中学1年生。
男三兄弟で、みんなイケメン。
タケシは目が二重で美青年系のイケメン。
シュウは可愛い感じのイケメンかな。
ま、どっちにしてもイケメンに変わりはない。
「今日は何しに来たの?」
「部屋の片付けしろって、翔太に言われてきたんだけど。することなさそう」
一応、本当に掃除していく予定だったのに、なにこれ。
どこ掃除しろっていうの?隅々までピカピカじゃん。
「飲む?ココア」
「うん、ありがとう」
翔太は私がいつも使ってるコップに、冷えたココアを入れてくれる。
「お父さんとお母さんは、まだ出張?」
「あぁ。今回は海外だからまだ帰ってこないだろ」
翔太の両親は、出張の多い仕事でよく家を空ける。
そのときは、翔太が家事やってるの。
翔太は昔から器用だから、何でもできちゃう。
料理以外はね。
「私来た意味あるの?」
「まぁ、そうだな。夜飯くらいかな」
「…掃除とか言ってなかった?」
あっさり無視されて、晩ご飯を作ることに。