好きが伝われ
「あ、この写真渡したいから、紫衣ちゃん連絡先交換してもらってもいい?」
こ、こいつっ
「あ、はい。えっとQRコードで…」
紫衣も素直すぎるだろ。
「俺がもらうよ」
自分の携帯を差し出す。
紫衣の頭にはハテナがあるけど、気にしない。
「そう?じゃ、そうしようか」
伊賀の連絡先が、俺の携帯画面に表示される。
これでなんとか、紫衣から遠ざけられる。
俺が携帯をしまうところで、また誰かが来る。
「あ、どうもー!2人とも今日はありがとう〜」
栗色の髪の毛がやけに似合う女が来た。
誰だか知らないけど、紫衣たちには関係のあるやつらしい。
「あ、いえ。私でよかったんですか?」
「うん!もちろんだよ〜。大成功っ。」
紫衣の話し方からして先輩か?
「あ、そちらの方はあの有名な、塩谷翔太じゃない?」
急に振られて、反応出来ずにいると
「そうだよ。」
伊賀のやつが勝手に返す。
「そっか〜。やっぱ百聞は一見にしかず。だね」
「はい?」
「いやいや、こっちの話〜
あ、そうそう。私は神浜凛花(ミハマ リンカ)」
神浜って、この服作ったやつか。
軽く会釈をする。