好きが伝われ
一応携帯に連絡してみたけど、返信が来ない。
歩き回って探してみる。
いないな…
人があまり通行してない、4階の通路。
翔太と、神浜さんの姿。
あの二人、なにしてるんだろう。
さっきの写真渡してるとか?
んー、でもこんなところでやる必要ないし。
ここでじっとしてても来ないし、教室戻ろ。
自分のクラスに戻ると、もう営業終了してた。
教室の受け付け席に座ってた歩夏に話しかける。
「あれ?もう終わったの?」
「なんかめんどくさくなっちゃってさぁ」
「あれ?莉玖君は?」
「教室の中で寝てるよ」
え?暗いのに?
「覗いてみれば?多分寝てるけど」
気になるし、覗いてみようかな。
ゆっくりドアを開けて中に入ると、急にドアを締められる。
「え!?歩夏?」
「楽しんで〜」
へ!?楽しんでって、ここを?
暗いのに楽しめるわけないじゃんっ
でも出してくれないから、仕方なく数分間自分たちが作ったお化け屋敷を体感。
意外と怖くて、最後の道は少し小走りした。