好きが伝われ


教室から出ると、目の前に翔太が。

「翔太…」

「今来たんだよー。塩谷も、やる?」

「いや、いい。それより、、紫衣に話したいことがある」


翔太が改まってこんなこと言うってことは…
相当大事な話。

私は黙って翔太に、ついて行く。



着いたのは、屋上手前の階段の踊り場。

「話したいことって?」

「単刀直入に言う。明日の後夜祭で一緒に花火見よう。」


あまりに単刀直入すぎて、反応ができない。

一緒に花火…


後夜祭の最後に上がる花火。
毎年恒例で、すごく盛り上がる。


ジンクスもある。

後夜祭の花火を好きな人と見ると永遠に結ばれる。
ま、ありきたりなジンクスだけどね。


「え?いいの?私で」

「そんな質問するな誘ってんだから」

「あ、ごめん。」


翔太に誘われて嬉しい気持ちもあるけど。
心が…モヤモヤする。

なんでだろ。
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