好きが伝われ
「…紫衣の俺に対する好きは、家族としてだろうな。恋愛としてじゃない。」
「そんなこと…」
そんなことないって思い切って言えない自分がいた。
それがすごく悔しかった。
「別に今のままでいいだろ。恋人になることが全てじゃねぇんだし。」
そういう翔太の顔が冴えないのはなんで。
なんで、そんなに悲しそうなの。
「花火、、始まるぞ」
花火が咲く音がやけに静かに感じた。
そんなはずないのに。
花火2人で見たいって思ってたけど、こんな形で…見たくなかった。
泣きたい…けど私が泣いたって何も変わらない。
翔太に迷惑かけるだけだ。堪えなくちゃ。
私たちは屋上を出て、ひとまず教室へ。
SHRも終わって帰る時間に。