好きが伝われ



荷物をもって、学校を出る。


「そういえば、紫衣ちゃん今度の土曜日暇してない?」

「えっとー、土曜日…暇ですね。なんででしょうか?」


まさか、急にデートに誘う気!?
いや、この人ならやりかねない。

でもそんなことになったら私どう返事しよう。


そんな急に出かけようって言われても困るし…


「じゃー、どうしようかなー」

「え?」

「土曜日、午前11時に紫衣ちゃんの家の玄関前ね」

「ん?」

や、やっぱり。


ここはとりあえず知らんぷりしとくか。

「よくわかんないフリしてもだめ。絶対行くから待っててね」


考えがバレてる。

超能力者かっ、


「じゃ、土曜日ね。」

無事家に着いてそう言われる。


恒樹さんは颯爽と帰っていった。


…ほんとに?どこに行くんだろう。

嘘だよね、たぶん。きっと。
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