好きが伝われ


「あ、照れてる?顔赤いけど」

慌てて自分の頬を手で隠す。

「て、照れてないです!と、とりあえず駅に行きましょう、ね!」

「うん。わかりましたっ」

もう、私好きな人に振られたばっかりなのに、なにドキドキしてるの!?


しかも、恒樹さんは私のこと好き…なのに。

ここで私が照れてたら、ただの軽い女じゃん。
今日は、照れないようにしなくちゃ。


駅に着くと、さすがに休日。人がたくさん。

もし、知り合いがいたらどうしよう。

今更だけど、恒樹さんって学校のアイドル的存在だよ?


こんなただの一般人同然の私なんかが一緒に歩いていていいの?

誰にも会いませんように…

< 87 / 177 >

この作品をシェア

pagetop