好きが伝われ
「次はどうしようか」
「あの、恒樹さんは行きたいところとかないんですか?」
「え?紫衣ちゃんの行きたいところが俺の行きたいところだけど?」
そんなことってある!?
私の行きたいところが恒樹さんのって…
責任重大なんじゃ、
「俺が行きたそうな場所とかじゃなくていいんだからね?軽い気持ちでいいから」
心が読まれた?
「では、少し買い物をしてもいいですか?」
「もちろんいいよ」
恒樹さんは相変わらずの笑顔。
なんだか申し訳ない気もするけど…
「思ってたんだけど、紫衣ちゃんってそういう服着るんだね」
そういわれて改めて自分の服を見る。
うん。格別おしゃれって言うわけでもない。
かといって、メンズライクな服装でもない。
私は結構可愛い洋服の方が好み。
今日も白のロングシャツをくすんだピンク色のスカートにインしてる。
「え、あ。似合ってないですか?変ですか?」
恐る恐る聞く。
「え?そんなわけないじゃん。すっごいかわいいよ?」
すっごいかわいい…
いや、服が!服のことだってーの!
なーに期待してるの私は。