好きが伝われ



私が通う高校は、校則がかなり緩くて、髪色が派手な子が多い。

そんな中でも、ひときわ派手な髪色が多くなる時期が体育祭。


赤、青、黄の三色に分かれるんだけど、その色事に髪色を変えるからそれはもう派手。


で、体育祭まであと一週間。

もう髪色を変えてる人もいる。


ちなみに私のクラスは赤組。


「私も髪の毛染めようかな~」

歩夏は自分の髪の毛をさわって言う。

今まで染めたことがない綺麗な髪の毛。
いわゆる、バージンヘア。


歩夏の髪の毛は綺麗な黒髪だから、染めない方がいいと思うんだけどな。

「歩夏は染めなくていいだろ。髪の毛が泣くぞ」


そういう莉玖君は、もう赤髪に染めている。

赤って言っても、原色の赤色ではない。
なんだろう。説明しづらいけど、オレンジに近い赤かな。


「そう思う?じゃあ、やめようかな」

「そうしな」


莉玖君は赤髪にしてから、さらにモテてる。

ま、赤髪が似合う人なんてそうないしね。
莉玖君はやけに似合いすぎてる。


「翔太は染めるんだろ?赤に」

「は?いつそんなこと言ったんだよ」

「今考えた」


翔太が赤髪!?


想像もつかないけど。
まぁ、似合わなくはないかな。


「紫衣ちゃんどう思う?翔太染めた方がかっこいいよね?」

急に私に振られても…


「ん-、似合うんじゃない?私は今のままが好きだけど」

「だって!やっぱ似合うよな!な?やろうぜ」


翔太は聞こえないふりをし始める。

染めたくないみたいだね。



< 9 / 177 >

この作品をシェア

pagetop