好きが伝われ
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私が通う高校は、校則がかなり緩くて、髪色が派手な子が多い。
そんな中でも、ひときわ派手な髪色が多くなる時期が体育祭。
赤、青、黄の三色に分かれるんだけど、その色事に髪色を変えるからそれはもう派手。
で、体育祭まであと一週間。
もう髪色を変えてる人もいる。
ちなみに私のクラスは赤組。
「私も髪の毛染めようかな~」
歩夏は自分の髪の毛をさわって言う。
今まで染めたことがない綺麗な髪の毛。
いわゆる、バージンヘア。
歩夏の髪の毛は綺麗な黒髪だから、染めない方がいいと思うんだけどな。
「歩夏は染めなくていいだろ。髪の毛が泣くぞ」
そういう莉玖君は、もう赤髪に染めている。
赤って言っても、原色の赤色ではない。
なんだろう。説明しづらいけど、オレンジに近い赤かな。
「そう思う?じゃあ、やめようかな」
「そうしな」
莉玖君は赤髪にしてから、さらにモテてる。
ま、赤髪が似合う人なんてそうないしね。
莉玖君はやけに似合いすぎてる。
「翔太は染めるんだろ?赤に」
「は?いつそんなこと言ったんだよ」
「今考えた」
翔太が赤髪!?
想像もつかないけど。
まぁ、似合わなくはないかな。
「紫衣ちゃんどう思う?翔太染めた方がかっこいいよね?」
急に私に振られても…
「ん-、似合うんじゃない?私は今のままが好きだけど」
「だって!やっぱ似合うよな!な?やろうぜ」
翔太は聞こえないふりをし始める。
染めたくないみたいだね。