暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
冬side
俺は全国ナンバー1の暴走族"星竜"幹部
笹本 冬(ささもとふゆ)
今日から仲間と喜仙高校に通う
当たり前だけど式には出ない…
というか、行きたくない…
俺は仲間以外の人間はあまり
好きじゃない…
そう、人間不信だ
人は簡単に裏切るし嘘をつく
見た目で判断して一方的な価値観を
持つから…
特に女は苦手
俺たちの外側だけを見て近付いてきて
媚びを売るか、もしくは怖いと言って
怯えて近付いて来ないかだ
暴走族ってだけで世の中から
弾き出される
だけど…
俺の目の前では信じられない光景
見た目だけで怖いと誤解を受けて
拒絶された錬…
表も裏もないけど仲間以外、特に女には
一線を引く奏…
母親からの虐待、暴力を振るわれて
女が苦手な奈留…
仲間以外に心を開かない奴らが
金髪のちっこい女…詩?には
素の自分を晒している
チラリと視線を向ければ
クルクルと変わる表情
話せないのかノートを使っての筆談
何よりなんの警戒心もない笑顔
媚びを売るわけでも
怖がるでもない
1人の人間として接してるのが分かる
今まで出会った奴とは違う
けど、俺は…
そんな事を考えて足元に視線を
落としていると
俺とは違う、別の上履きが視界に入る
金髪女、詩って奴のだ
下に視線を落としたままの俺の
視界を遮る物…ノート?
≪初めまして、星川詩です。
錬や奏、それから奈留ともお友達に
なったの。
あなたともお友達になれる?≫
俺にそっと近づいてノートを見せてきた
俺もみんなみたいに心を開けるのか…
分からない…
けど、1番信じてる奴らが心を開いた奴だから
信じてみてもいいだろうか
信じてみたい…そう思ったら
思わず頷いていた
「…(コクリ)」
すると、詩はぴょんぴょん跳ね出した
俺と友達になるのがそんなに嬉しいのか?
変わった奴だと思う
こんな目も合わせず、口も開かない
無愛想な俺と友達になりたいだなんて…
カキカキカキ…
≪あなたの名前を教えてくれる?
無理に話さなくていいからね。
ここに書いて欲しい≫
俺にそっと渡されたノートを
ゆっくり受け取り名前を書いた
≪笹本冬(ささもとふゆ)≫
また渡されたノートを手に取り
昔、母親だった人から聞いた
俺の名前の由来がそこに記されていて
かなり驚いた…
≪とっても素敵な名前だね!
静かに降り積もる雪の景色が見えた。
冬、これからよろしくね!」
小さい頃の記憶…名前の由来語る母親の姿
『冬が産まれた日はとても静かで
音もなく降り積もる雪が病室から
見えてね…
それがすごく綺麗だったの。
その景色が忘れられなくて
冬って名前に決めたの』
その時の記憶が頭の中で鮮明に
蘇っていて、気付けば
ジーッと見つめていた俺は
思わず…返事をしていた
「…ぅん」
そんな俺の小さな声に詩は
何も言わずに手をそっと握ってきて
きゅっと握ったから
返事の代わりにきゅっと握り返した
ありがとうが伝わるように…
俺は全国ナンバー1の暴走族"星竜"幹部
笹本 冬(ささもとふゆ)
今日から仲間と喜仙高校に通う
当たり前だけど式には出ない…
というか、行きたくない…
俺は仲間以外の人間はあまり
好きじゃない…
そう、人間不信だ
人は簡単に裏切るし嘘をつく
見た目で判断して一方的な価値観を
持つから…
特に女は苦手
俺たちの外側だけを見て近付いてきて
媚びを売るか、もしくは怖いと言って
怯えて近付いて来ないかだ
暴走族ってだけで世の中から
弾き出される
だけど…
俺の目の前では信じられない光景
見た目だけで怖いと誤解を受けて
拒絶された錬…
表も裏もないけど仲間以外、特に女には
一線を引く奏…
母親からの虐待、暴力を振るわれて
女が苦手な奈留…
仲間以外に心を開かない奴らが
金髪のちっこい女…詩?には
素の自分を晒している
チラリと視線を向ければ
クルクルと変わる表情
話せないのかノートを使っての筆談
何よりなんの警戒心もない笑顔
媚びを売るわけでも
怖がるでもない
1人の人間として接してるのが分かる
今まで出会った奴とは違う
けど、俺は…
そんな事を考えて足元に視線を
落としていると
俺とは違う、別の上履きが視界に入る
金髪女、詩って奴のだ
下に視線を落としたままの俺の
視界を遮る物…ノート?
≪初めまして、星川詩です。
錬や奏、それから奈留ともお友達に
なったの。
あなたともお友達になれる?≫
俺にそっと近づいてノートを見せてきた
俺もみんなみたいに心を開けるのか…
分からない…
けど、1番信じてる奴らが心を開いた奴だから
信じてみてもいいだろうか
信じてみたい…そう思ったら
思わず頷いていた
「…(コクリ)」
すると、詩はぴょんぴょん跳ね出した
俺と友達になるのがそんなに嬉しいのか?
変わった奴だと思う
こんな目も合わせず、口も開かない
無愛想な俺と友達になりたいだなんて…
カキカキカキ…
≪あなたの名前を教えてくれる?
無理に話さなくていいからね。
ここに書いて欲しい≫
俺にそっと渡されたノートを
ゆっくり受け取り名前を書いた
≪笹本冬(ささもとふゆ)≫
また渡されたノートを手に取り
昔、母親だった人から聞いた
俺の名前の由来がそこに記されていて
かなり驚いた…
≪とっても素敵な名前だね!
静かに降り積もる雪の景色が見えた。
冬、これからよろしくね!」
小さい頃の記憶…名前の由来語る母親の姿
『冬が産まれた日はとても静かで
音もなく降り積もる雪が病室から
見えてね…
それがすごく綺麗だったの。
その景色が忘れられなくて
冬って名前に決めたの』
その時の記憶が頭の中で鮮明に
蘇っていて、気付けば
ジーッと見つめていた俺は
思わず…返事をしていた
「…ぅん」
そんな俺の小さな声に詩は
何も言わずに手をそっと握ってきて
きゅっと握ったから
返事の代わりにきゅっと握り返した
ありがとうが伝わるように…