暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
星竜の姫〜星姫誕生〜
詩side
ここにいる全ての人達に私という人間を
知って貰って、姫になる事を認めて
貰わなければいけない
だけど…
私は喋ることが出来ない
物心ついた頃から、それが当たり前で
だけど
声が出せないこと…
喋ることが出来ないこと…
相手に気持ちを伝えることが出来ないこと…
みんなに出来て私に出来ないことが
すごく悲しくて辛くて
ものすごく悔しかった
何度も何度も繰り返し声を
出したくて、でも出来なくて
そうするうちに…
私は喋る事を諦めたんだ
だけど…
その時の私は諦めたんじゃなくて
辛くて悲しい現実から目を背けて
逃げたんだ
受け止めきれない現実から…
それがあの時の私には最善だった
だけど今は?
喋れないから、話せないからって
また諦めて逃げるの?
私の目の前にいる沢山の人達から
そして、私が必要だと言ってくれた
北斗達みんなから逃げるの?
向き合う、寄り添おうって
決めたのは私自身なのに?
守るねってみんなで
指切りげんまんしたのに?
絡めた小指を見つめて両手で包んだ
ーその時
北斗の声が倉庫に響いた
「今日はお前らに報告があって
招集をかけた。
姫になる奴を紹介する為だ。
詩、挨拶いけるか」
北斗を見上げて傍に居てくれる
みんなを見つめて…
そして倉庫にいる沢山の人達に
目を向けた
胸に抱きしめたままのノートとペン
私にとって相棒みたいな大切な物に
視線をおとす
その時、園長先生と律から
言われた言葉を思い出した
“詩は詩のままでいいの、それが1番大切”
そう言ってくれたじゃない!
北斗達に笑顔で大きく頷いて
私は階段を駆け下りた
二階からみんなが心配そうに
名前を呼んでくれたから
心配掛けてるのに嬉しくなって
ノートいっぱいに
≪大丈夫≫
と書き記して見せた
そしたら、みんなが笑ってくれて
また嬉しくなった
私にはみんなが居てくれる
あの頃みたいに1人じゃないんだもん!
だから逃げずに進むんだ!
一階に居る沢山の人達は
私とみんなとのやり取りをポカンと見てて
頭の中にハテナマークを浮かべてる
そりゃそうだよね〜
だって、まさか喋れないなんて
普通は思わないし考えもしないもの
だけど、それが私だから…
ーカキカキカキ
ーカキカキカキ
ふぅ〜…
書きすぎで手が痺れちゃった〜
私のこと、そして姫になりたいこと
姫になったらしたいことを
今の私の想いを込めてノートに綴り
錬の黒色バージョンの下っ端くんに
手渡した
もちろん、みんなに回してねの
ジェスチャーも忘れずに!
≪初めまして、星川詩です。
私はこの通り喋ることが出来ないの。
だからノートに書く事でしか
伝えられない。
ごめんなさい。
北斗をはじめ、錬や奏
奈留や冬とお友達になってすぐに
姫になって欲しいって言われたの。
みんなには話したけど
暴走族っていうものが何なのか
今の私にはまだ正直よく分からないけど
心に決めた事がある。
喋れない、喧嘩も出来ない私だけど
みんなを守るって。
みんながいつでも笑顔で居られるように
苦しい事や悲しい事があったら
誰より近くで向き合って寄り添おうって。
世間の人がなんて言おうとも
私は絶対に味方になるって。
私のモットーは
自分の目で見て感じたものだけを
信じること!
外側ばかりに目を向けて
内側を知ろうともしない人は
私は絶対に認めない!
周りの人がどう思うかなんて私には
関係ないの。
私は自分の目で見て感じたものだけを
大切にしたいの。
みんなを傷付ける人達から
守りたい!
もちろん守るのはみんなの心をだよ?
みんなの心の盾になりたいの!
私は星竜のみんなと仲間になりたい!
よろしくお願いします。
星川詩≫
すごい量書いたのに
ノートの回る速さが半端ない!
あれれ?
もうスタート地点の
錬の黒色バージョンくんに
返ってきた〜!!
真っ直ぐに見つめる瞳から目が逸らせない
私の想いはみんなに伝わった?
どうだろう?
錬の黒色バージョンくんは
私に笑顔を向け、そして…
二階にいるみんなへと視線を上げた
「総長!俺らは全員、満場一致で
詩さんに姫になって欲しいです!」
それを聞いた他の人達からも…
「「「大賛成です!!!」」」
「「「詩さん、最高っす!!!」」」
と倉庫が揺れるくらいの大声で叫び
認めてくれました!!
よ、良かったぁ〜
緊張が切れてその場に座り込んでしまった私を抱き抱えてくれたのは、北斗
それを囲むように傍に来てくれたみんな
それぞれに笑顔で大きく頷いた
「よくやった、詩。
今日から正式に星竜の姫…星姫(せいき)だ」
笑顔で頷く
そして…
少しだけ笑みを浮かべた北斗からの
締めの挨拶はこう締め括られた
「お前ら、認めてくれたこと感謝する。
俺らの星姫…星川詩だ。
何がなんでも守り抜け!」
「「「死ぬ気で守ります!!!」」」
えぇ〜!?ダメダメ!!
死ぬ気でとかダメダメ〜!!
ここにいる誰1人欠けることは
許しませんよ!!
私の為にだとしても、それはダメ!!
今までで最速のスピードで
ノートへ綴る
≪死ぬ気で守るなんてダメだよ!!
ここにいるみんな、誰にも危険な目に
あって欲しくないの!≫
そして錬の黒色バージョンくんに
渡す
それを見た彼は眉を下げて
「姫、それは無理ですよ!
姫は守られる存在なんです。
だから姫が危険と判断したら
ここにいる奴らは…」
彼の言葉を遮って両手でバツを作る
なのに、聞く耳を持ってくれない!
ムムム〜…
私が危険と判断したらって言ったよね?
言ったよね?ね?
だったら答えは簡単じゃない!
危険な状況にならなければいいって
ことでしょう?
黒髪くんからノートを引ったくり
最速で書いてまた渡す
≪危険な状況にならないように
姫の重要注意事項を徹底するから!
みんなが私を大切に思ってくれるように
私もみんなが大切なの。
だから、死ぬ気でなんて簡単に
言っちゃダメ!!≫
読み終えたであろう彼に
頬を膨らませ両手でバツを作り
ダメダメアピール!!
私の猛抗議に渋々折れてくれた彼は
「では、万が一にもそうなった場合のみ
死なない程度に守ります。
これでもかなりの譲歩なんですよ!
これ以上は譲れません!」
と奈留みたいにぷりぷりと
お怒りモードに突入しちゃいました
これ以上続けても終わりが見えないので
心の広〜い私が頷くことで
無事終息しましたっ!!
今日ここに
“星竜の姫 星姫”が誕生した…
ここにいる全ての人達に私という人間を
知って貰って、姫になる事を認めて
貰わなければいけない
だけど…
私は喋ることが出来ない
物心ついた頃から、それが当たり前で
だけど
声が出せないこと…
喋ることが出来ないこと…
相手に気持ちを伝えることが出来ないこと…
みんなに出来て私に出来ないことが
すごく悲しくて辛くて
ものすごく悔しかった
何度も何度も繰り返し声を
出したくて、でも出来なくて
そうするうちに…
私は喋る事を諦めたんだ
だけど…
その時の私は諦めたんじゃなくて
辛くて悲しい現実から目を背けて
逃げたんだ
受け止めきれない現実から…
それがあの時の私には最善だった
だけど今は?
喋れないから、話せないからって
また諦めて逃げるの?
私の目の前にいる沢山の人達から
そして、私が必要だと言ってくれた
北斗達みんなから逃げるの?
向き合う、寄り添おうって
決めたのは私自身なのに?
守るねってみんなで
指切りげんまんしたのに?
絡めた小指を見つめて両手で包んだ
ーその時
北斗の声が倉庫に響いた
「今日はお前らに報告があって
招集をかけた。
姫になる奴を紹介する為だ。
詩、挨拶いけるか」
北斗を見上げて傍に居てくれる
みんなを見つめて…
そして倉庫にいる沢山の人達に
目を向けた
胸に抱きしめたままのノートとペン
私にとって相棒みたいな大切な物に
視線をおとす
その時、園長先生と律から
言われた言葉を思い出した
“詩は詩のままでいいの、それが1番大切”
そう言ってくれたじゃない!
北斗達に笑顔で大きく頷いて
私は階段を駆け下りた
二階からみんなが心配そうに
名前を呼んでくれたから
心配掛けてるのに嬉しくなって
ノートいっぱいに
≪大丈夫≫
と書き記して見せた
そしたら、みんなが笑ってくれて
また嬉しくなった
私にはみんなが居てくれる
あの頃みたいに1人じゃないんだもん!
だから逃げずに進むんだ!
一階に居る沢山の人達は
私とみんなとのやり取りをポカンと見てて
頭の中にハテナマークを浮かべてる
そりゃそうだよね〜
だって、まさか喋れないなんて
普通は思わないし考えもしないもの
だけど、それが私だから…
ーカキカキカキ
ーカキカキカキ
ふぅ〜…
書きすぎで手が痺れちゃった〜
私のこと、そして姫になりたいこと
姫になったらしたいことを
今の私の想いを込めてノートに綴り
錬の黒色バージョンの下っ端くんに
手渡した
もちろん、みんなに回してねの
ジェスチャーも忘れずに!
≪初めまして、星川詩です。
私はこの通り喋ることが出来ないの。
だからノートに書く事でしか
伝えられない。
ごめんなさい。
北斗をはじめ、錬や奏
奈留や冬とお友達になってすぐに
姫になって欲しいって言われたの。
みんなには話したけど
暴走族っていうものが何なのか
今の私にはまだ正直よく分からないけど
心に決めた事がある。
喋れない、喧嘩も出来ない私だけど
みんなを守るって。
みんながいつでも笑顔で居られるように
苦しい事や悲しい事があったら
誰より近くで向き合って寄り添おうって。
世間の人がなんて言おうとも
私は絶対に味方になるって。
私のモットーは
自分の目で見て感じたものだけを
信じること!
外側ばかりに目を向けて
内側を知ろうともしない人は
私は絶対に認めない!
周りの人がどう思うかなんて私には
関係ないの。
私は自分の目で見て感じたものだけを
大切にしたいの。
みんなを傷付ける人達から
守りたい!
もちろん守るのはみんなの心をだよ?
みんなの心の盾になりたいの!
私は星竜のみんなと仲間になりたい!
よろしくお願いします。
星川詩≫
すごい量書いたのに
ノートの回る速さが半端ない!
あれれ?
もうスタート地点の
錬の黒色バージョンくんに
返ってきた〜!!
真っ直ぐに見つめる瞳から目が逸らせない
私の想いはみんなに伝わった?
どうだろう?
錬の黒色バージョンくんは
私に笑顔を向け、そして…
二階にいるみんなへと視線を上げた
「総長!俺らは全員、満場一致で
詩さんに姫になって欲しいです!」
それを聞いた他の人達からも…
「「「大賛成です!!!」」」
「「「詩さん、最高っす!!!」」」
と倉庫が揺れるくらいの大声で叫び
認めてくれました!!
よ、良かったぁ〜
緊張が切れてその場に座り込んでしまった私を抱き抱えてくれたのは、北斗
それを囲むように傍に来てくれたみんな
それぞれに笑顔で大きく頷いた
「よくやった、詩。
今日から正式に星竜の姫…星姫(せいき)だ」
笑顔で頷く
そして…
少しだけ笑みを浮かべた北斗からの
締めの挨拶はこう締め括られた
「お前ら、認めてくれたこと感謝する。
俺らの星姫…星川詩だ。
何がなんでも守り抜け!」
「「「死ぬ気で守ります!!!」」」
えぇ〜!?ダメダメ!!
死ぬ気でとかダメダメ〜!!
ここにいる誰1人欠けることは
許しませんよ!!
私の為にだとしても、それはダメ!!
今までで最速のスピードで
ノートへ綴る
≪死ぬ気で守るなんてダメだよ!!
ここにいるみんな、誰にも危険な目に
あって欲しくないの!≫
そして錬の黒色バージョンくんに
渡す
それを見た彼は眉を下げて
「姫、それは無理ですよ!
姫は守られる存在なんです。
だから姫が危険と判断したら
ここにいる奴らは…」
彼の言葉を遮って両手でバツを作る
なのに、聞く耳を持ってくれない!
ムムム〜…
私が危険と判断したらって言ったよね?
言ったよね?ね?
だったら答えは簡単じゃない!
危険な状況にならなければいいって
ことでしょう?
黒髪くんからノートを引ったくり
最速で書いてまた渡す
≪危険な状況にならないように
姫の重要注意事項を徹底するから!
みんなが私を大切に思ってくれるように
私もみんなが大切なの。
だから、死ぬ気でなんて簡単に
言っちゃダメ!!≫
読み終えたであろう彼に
頬を膨らませ両手でバツを作り
ダメダメアピール!!
私の猛抗議に渋々折れてくれた彼は
「では、万が一にもそうなった場合のみ
死なない程度に守ります。
これでもかなりの譲歩なんですよ!
これ以上は譲れません!」
と奈留みたいにぷりぷりと
お怒りモードに突入しちゃいました
これ以上続けても終わりが見えないので
心の広〜い私が頷くことで
無事終息しましたっ!!
今日ここに
“星竜の姫 星姫”が誕生した…