暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
星姫お披露目暴走
詩side
買い出しが終わってみんなで手分けして
食材を片付けていた私
今日は何を作ろうかなぁ〜なんて
呑気に考えにふけっていると…
二階から奈留の声が聞こえた
「詩ちゃ〜ん!話があるから
幹部室に集合だよ〜!」
冷蔵庫に頭を突っ込んでいた私は
慌ててドアに頭をぶつけてしまい
痛みを分散させる為ぴょんぴょん跳ねる
痛すぎて涙が出てきたよ〜
うぅ…本当に痛い〜
頭を押さえ涙目の私は
お片付けを他のみんなにお願いして
幹部室へダッシュ〜!
そんな私を頬を染めて見つめる奈留
どしたの?
首を傾げて見上げると…
「何をしても可愛いって罪だよね…」
と何やら小さな声でぶつぶつ呟く奈留
私の頭上にはハテナが浮かぶ
声が小さくて聞こえない…
何言ってるのかなぁ、奈留は
トリップしていた奈留に押されて
幹部室に入るとみんな勢揃い!
そこにはいつもの見慣れた光景
大きな1人ソファーには北斗
パソコン前には奏
3人掛けソファーの上にはバイク雑誌に
夢中の錬
2人掛けソファーには奈留と冬
そして、私の定位置は何故か北斗の
お膝の上…
おかしくない?おかしいよね?
だって錬が寝転ばなけば
私はそこに座れるわけで…
なのに、私の椅子は北斗の膝の上!
納得出来ないけど仕方ないね〜
北斗は寂しがりの甘えたさんだから!
それにしても頭痛い…
頭を押さえたままの私
「どした、頭なんか押さえて」
北斗の不思議そうな声に私はノートに
綴る
≪食材を片付けてる途中で冷蔵庫の
扉に頭ぶつけちゃって…
すっごく痛いの!≫
ものすっごく痛いアピールをすると
みんなが揃いも揃ってあたふたしだした
みんな突然どうしたの?
ものすっごい慌てぶりなんだけど…
そして眉を下げながら氷袋を
持ってきてくれた奏
「今度からは気を付けてね?
詩ちゃんが怪我したらと思うと
心配で仕方ないよ…
たんこぶにならないといいんだけど」
すごく心配掛けちゃったな…
頭ぶつけただけで慌てるくらいだから
擦り傷、切り傷なんてしたら
卒倒しちゃいそうだな、奏
気を付けなきゃね!
≪ありがとう!
心配掛けちゃってごめんね?
今度から気を付ける!≫
ノートを見せて笑顔で頷くと
「うん、約束だよ?
傷という傷全てに気を付けてね。
詩ちゃんが怪我なんかしたら
僕、倒れる自信あるよ」
えぇ!?
思ってた通りの返答に
びっくりしちゃった!!
絶対に気を付けなければと
固く決意したのでした
あたふたしていた幹部室が静まり
落ち着いた時、頭上から北斗の声
「本当に気を付けてくれよ?
詩が怪我したりした日には
俺、どうなるか分かんねぇ…」
ほんの少し物騒な発言が聞こえたけど
幹部に触れないようにソッと後頭部を
撫でる手付きはとても優しい…
私を見つめる真っ黒な瞳が
心配だと言っているようで
申し訳ないんだけど、嬉しい…なんて
思っちゃったのは、秘密だ
私の手が冷えるからと頭上の
氷袋を代わりに支えてくれる北斗
過保護過ぎじゃない?って思ったけど
正直ずっと手を挙げ続けるのが
辛かったから助かった〜
で、お話があるんだよね?
空いた手でノートに書く
≪お話ってなぁに?≫
みんなに見せると
北斗から…
「星竜の姫、星姫お披露目暴走を
近々行う。
その暴走のルートはもう決めてあるが
祝い暴走を今から説明する、奏」
北斗の声に頷いた奏は
詳しく説明してくれた
「まず、姫お披露目暴走っていうのは
星竜の傘下にある同盟族と他の族に
知らしめる為の暴走で、基本的には
喧嘩はしない。
姫がいるからね。
ただ暴走の日、倉庫が手薄なのを狙って
潰しに来る族もいるんだ。
簡単に言えば、何が起きるか分からない…
手薄になったからといって
簡単に潰されるようなことはないけど。
下っ端も他の族の総長クラスと同等の
腕っぷしがあるからね。
ただ覚悟はしておいて欲しいんだ。
なにかが起きるかもしれないと…」
そう語る奏もみんなにも
いつもの優しい瞳は見えなくて
瞳の奥に炎のような熱さが見えて
奏の言う覚悟を持ってなきゃいけないんだって思った
これが暴走族の世界なんだ…
いつ狙われるか襲われるかを
常に考えておかなきゃいけないんだ
その世界に身を置くみんなが
すごく心配でありながらも
カッコイイって思っちゃう
1番であり続ける為に誇りを持って
戦おうとする強さを
尊敬するし、誇りに思う
そして、そんなみんなの姫が私…
覚悟は出来てるよ
私は頷いた
ピリッとした空気の中、場違いな程の
明るい声の主は…奈留
「暴走が終わったらね、倉庫で
パーティーがあるんだよ〜!
料理も沢山あるしね〜
みんなでゲームしたりするの!
すっごく楽しいよ〜!」
ニコニコ笑顔の奈留と
ニカッと歯を見せて笑う錬
無言だけど頷く冬
「後片付けも楽しみだよね〜」
楽しそうに笑う奏の笑顔は
いつもより、ちょびっとだけ
怖いと思ったことは秘密…
北斗は肩を揺らして笑ってるけど
他の2人…奈留と錬は
笑顔が超引き攣ってる!
きっと前に何かやらかしたんだね…
ご愁傷様…
兎にも角にも星姫お披露目暴走まで
あと数日…
何も起こらないで無事に終われたら
イイなぁ〜
買い出しが終わってみんなで手分けして
食材を片付けていた私
今日は何を作ろうかなぁ〜なんて
呑気に考えにふけっていると…
二階から奈留の声が聞こえた
「詩ちゃ〜ん!話があるから
幹部室に集合だよ〜!」
冷蔵庫に頭を突っ込んでいた私は
慌ててドアに頭をぶつけてしまい
痛みを分散させる為ぴょんぴょん跳ねる
痛すぎて涙が出てきたよ〜
うぅ…本当に痛い〜
頭を押さえ涙目の私は
お片付けを他のみんなにお願いして
幹部室へダッシュ〜!
そんな私を頬を染めて見つめる奈留
どしたの?
首を傾げて見上げると…
「何をしても可愛いって罪だよね…」
と何やら小さな声でぶつぶつ呟く奈留
私の頭上にはハテナが浮かぶ
声が小さくて聞こえない…
何言ってるのかなぁ、奈留は
トリップしていた奈留に押されて
幹部室に入るとみんな勢揃い!
そこにはいつもの見慣れた光景
大きな1人ソファーには北斗
パソコン前には奏
3人掛けソファーの上にはバイク雑誌に
夢中の錬
2人掛けソファーには奈留と冬
そして、私の定位置は何故か北斗の
お膝の上…
おかしくない?おかしいよね?
だって錬が寝転ばなけば
私はそこに座れるわけで…
なのに、私の椅子は北斗の膝の上!
納得出来ないけど仕方ないね〜
北斗は寂しがりの甘えたさんだから!
それにしても頭痛い…
頭を押さえたままの私
「どした、頭なんか押さえて」
北斗の不思議そうな声に私はノートに
綴る
≪食材を片付けてる途中で冷蔵庫の
扉に頭ぶつけちゃって…
すっごく痛いの!≫
ものすっごく痛いアピールをすると
みんなが揃いも揃ってあたふたしだした
みんな突然どうしたの?
ものすっごい慌てぶりなんだけど…
そして眉を下げながら氷袋を
持ってきてくれた奏
「今度からは気を付けてね?
詩ちゃんが怪我したらと思うと
心配で仕方ないよ…
たんこぶにならないといいんだけど」
すごく心配掛けちゃったな…
頭ぶつけただけで慌てるくらいだから
擦り傷、切り傷なんてしたら
卒倒しちゃいそうだな、奏
気を付けなきゃね!
≪ありがとう!
心配掛けちゃってごめんね?
今度から気を付ける!≫
ノートを見せて笑顔で頷くと
「うん、約束だよ?
傷という傷全てに気を付けてね。
詩ちゃんが怪我なんかしたら
僕、倒れる自信あるよ」
えぇ!?
思ってた通りの返答に
びっくりしちゃった!!
絶対に気を付けなければと
固く決意したのでした
あたふたしていた幹部室が静まり
落ち着いた時、頭上から北斗の声
「本当に気を付けてくれよ?
詩が怪我したりした日には
俺、どうなるか分かんねぇ…」
ほんの少し物騒な発言が聞こえたけど
幹部に触れないようにソッと後頭部を
撫でる手付きはとても優しい…
私を見つめる真っ黒な瞳が
心配だと言っているようで
申し訳ないんだけど、嬉しい…なんて
思っちゃったのは、秘密だ
私の手が冷えるからと頭上の
氷袋を代わりに支えてくれる北斗
過保護過ぎじゃない?って思ったけど
正直ずっと手を挙げ続けるのが
辛かったから助かった〜
で、お話があるんだよね?
空いた手でノートに書く
≪お話ってなぁに?≫
みんなに見せると
北斗から…
「星竜の姫、星姫お披露目暴走を
近々行う。
その暴走のルートはもう決めてあるが
祝い暴走を今から説明する、奏」
北斗の声に頷いた奏は
詳しく説明してくれた
「まず、姫お披露目暴走っていうのは
星竜の傘下にある同盟族と他の族に
知らしめる為の暴走で、基本的には
喧嘩はしない。
姫がいるからね。
ただ暴走の日、倉庫が手薄なのを狙って
潰しに来る族もいるんだ。
簡単に言えば、何が起きるか分からない…
手薄になったからといって
簡単に潰されるようなことはないけど。
下っ端も他の族の総長クラスと同等の
腕っぷしがあるからね。
ただ覚悟はしておいて欲しいんだ。
なにかが起きるかもしれないと…」
そう語る奏もみんなにも
いつもの優しい瞳は見えなくて
瞳の奥に炎のような熱さが見えて
奏の言う覚悟を持ってなきゃいけないんだって思った
これが暴走族の世界なんだ…
いつ狙われるか襲われるかを
常に考えておかなきゃいけないんだ
その世界に身を置くみんなが
すごく心配でありながらも
カッコイイって思っちゃう
1番であり続ける為に誇りを持って
戦おうとする強さを
尊敬するし、誇りに思う
そして、そんなみんなの姫が私…
覚悟は出来てるよ
私は頷いた
ピリッとした空気の中、場違いな程の
明るい声の主は…奈留
「暴走が終わったらね、倉庫で
パーティーがあるんだよ〜!
料理も沢山あるしね〜
みんなでゲームしたりするの!
すっごく楽しいよ〜!」
ニコニコ笑顔の奈留と
ニカッと歯を見せて笑う錬
無言だけど頷く冬
「後片付けも楽しみだよね〜」
楽しそうに笑う奏の笑顔は
いつもより、ちょびっとだけ
怖いと思ったことは秘密…
北斗は肩を揺らして笑ってるけど
他の2人…奈留と錬は
笑顔が超引き攣ってる!
きっと前に何かやらかしたんだね…
ご愁傷様…
兎にも角にも星姫お披露目暴走まで
あと数日…
何も起こらないで無事に終われたら
イイなぁ〜