暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
出逢い〜お友達〜
詩side
今日から私、星川詩(ほしかわうた)は
高校1年生になる
隣町のN市にある孤児院を出て
先週からここ、Y町にある
園長先生の古くからのご友人が
大家を務めるアパートに
無料で住まわせてくれる事になり
移り住んだのです!
もちろん無料だからと言って
ただ住まわせて貰うのは気がひける為
アパートの掃除や大家さんのお手伝いも
進んでさせて貰ってるの
昨日拾った子猫は居住者の方に
アレルギーがあるとの事で
大家さんにも協力をして貰って
里親さんを探すつもりでいる
早く見つかるといいな〜
そんな事を考えながらたどり着いた
アパートから10分の所にあるのは
今日から私が通う高校"喜仙高校"(きせん)
本当は孤児院近くの高校に進学したかったけど、学費が兎に角高くて…
学費が破格の安さというだけで選んだんだけど…問題というか悩みがひとつ
それは、3学年合わせても女の子が
全体の2割しか居ないってことなの…
花の女子高生ライフを夢見てたから
少し寂しいな〜なんて思う
同じクラスに女の子が居たら良いんだけど
全体の2割だから同じクラスに女の子がいる確率は、かなり低めだよね…
何故そんな割合なのか?
それはここが元は男子校で
超が付くほどの不良高だからだそうです!
でも、男の子のお友達もたくさん
出来たらいいな〜
不良だとかそんなの私には関係ないの
私は自分の目で見たものだけを信じる
例え世間の人が駄目だという烙印を押したとしても…
私は私が見たもの、感じたものを
信じ抜くって決めてる
外側ばかりに目を向けて
内側を知ろうともしない人の
言葉には耳を貸さないの!
これ、私のモットーなのです
掲示板近くまで来たのはいいけど
う〜ん…困ったな
クラス表は目と鼻の先にあるのに
背が低くて全く見えない!
しかも女の子が1人も見当たらない!
ぴょんぴょん飛び跳ねても
目の前の男の子集団はみんな背が高くて
見えない…がっくしだよ
そうだ!背の高い男の子に代わりに
見てもらおう!
鞄からノートとペンを取り出して
カキカキカキ…
≪私、星川詩って言います。
背が低くてクラス表が見えません。
代わりに確認して貰えないでしょうか?≫
よし、これで完璧だ!
あとは、これを誰に見せるかだよね
う〜ん…あっ!!
掲示板から少し離れた所に
大きな人発見!!
金髪のモヒカン頭に耳には
たくさんのピアス
私と同じ1年生かな?
私と同じ1年生なら臙脂のネクタイを締めてるはずなんだけど…
まさかのノーネクタイだ
でももう金髪さんの目の前まで来ちゃった
あれ?もしや私のこと見えてない?
全く視線が合わない
それにしても本当に大きい〜
180センチくらいありそう
とにかく声掛けれないから
それ以外で気付いて貰うしかないよね
ーとんとん
手の甲を軽く叩いてみたら
目をパチパチしてびっくりしてる
なんだか可愛い!ふふ!
とりあえずお辞儀して笑って
ノートを彼の目線に掲げてみたんだけど
見えてるかな?
読み終わったのかノートと自分を
交互に指したから
笑って頷いて見せると
どうやら困っているのか眉が
八の字に下がっちゃった
やっぱり迷惑かな…
私も困って首を傾げちゃった
無理矢理頼んでも迷惑だし仕方ないね
ノートを下ろして
≪困らせちゃってごめんなさい。
他の人に聞いてみます!
ありがとうございました≫
と書いて彼の目線にもう一度掲げて見せた
そしてきちんとお辞儀して
踵を返そうとしたら手を掴まれて
すんごくびっくりしちゃった!
振り返ると眉を八の字にしたまま
「見に行くのは全然いいんだけどさ…
俺が傍に居ると、君に友達出来ないかもしれないんだよな〜。
こんな見た目してるし」
すごく寂しそうに笑うから
なんだか私もすごく寂しい
こんな風に気にかけてくれて
きっとすごく優しい人なのに…
なんで誰もそれに気付いてあげないんだろう
それがすごく悲しい
≪全然怖くないですよ?
私にはすごく優しい人に見えます!
お友達になりたいくらいなのに≫
ノートを見て私に視線を落とした彼は
「ありがとな!
俺は東雲錬太郎(しののめれんたろう)
錬って呼んでくれな!」
ニカッと笑った彼、錬は
太陽みたいに明るくて優しい人だ
私も笑って頷いた
あ!でも呼べないんだよね…
≪私は声を出すことが出来ないの。
だから、錬って呼べない…
ノートに書くことしか出来ない。
それでもいい?≫
首を傾げてノートを見せる
「そんなこと気にしねぇよ、俺。
だって友達だろ?
ってかさ、名前なんて読むんだコレ?」
すごく嬉しいよ、錬!
うんって大きく頷いてみせて
自己紹介する
≪ほしかわ うたって言うの!
うたでいいよ!
ちなみに1年生だよ、錬は?≫
「おっ、俺も今日から1年だ!
よろしくな、詩!!」
差し出された大きな手を掴んで
握手したんだけど
嬉しすぎてぴょんぴょんしちゃった!
そんな私を見て太陽みたいに明るい笑顔の
お友達第1号、錬と掲示板へ向かった
今日から私、星川詩(ほしかわうた)は
高校1年生になる
隣町のN市にある孤児院を出て
先週からここ、Y町にある
園長先生の古くからのご友人が
大家を務めるアパートに
無料で住まわせてくれる事になり
移り住んだのです!
もちろん無料だからと言って
ただ住まわせて貰うのは気がひける為
アパートの掃除や大家さんのお手伝いも
進んでさせて貰ってるの
昨日拾った子猫は居住者の方に
アレルギーがあるとの事で
大家さんにも協力をして貰って
里親さんを探すつもりでいる
早く見つかるといいな〜
そんな事を考えながらたどり着いた
アパートから10分の所にあるのは
今日から私が通う高校"喜仙高校"(きせん)
本当は孤児院近くの高校に進学したかったけど、学費が兎に角高くて…
学費が破格の安さというだけで選んだんだけど…問題というか悩みがひとつ
それは、3学年合わせても女の子が
全体の2割しか居ないってことなの…
花の女子高生ライフを夢見てたから
少し寂しいな〜なんて思う
同じクラスに女の子が居たら良いんだけど
全体の2割だから同じクラスに女の子がいる確率は、かなり低めだよね…
何故そんな割合なのか?
それはここが元は男子校で
超が付くほどの不良高だからだそうです!
でも、男の子のお友達もたくさん
出来たらいいな〜
不良だとかそんなの私には関係ないの
私は自分の目で見たものだけを信じる
例え世間の人が駄目だという烙印を押したとしても…
私は私が見たもの、感じたものを
信じ抜くって決めてる
外側ばかりに目を向けて
内側を知ろうともしない人の
言葉には耳を貸さないの!
これ、私のモットーなのです
掲示板近くまで来たのはいいけど
う〜ん…困ったな
クラス表は目と鼻の先にあるのに
背が低くて全く見えない!
しかも女の子が1人も見当たらない!
ぴょんぴょん飛び跳ねても
目の前の男の子集団はみんな背が高くて
見えない…がっくしだよ
そうだ!背の高い男の子に代わりに
見てもらおう!
鞄からノートとペンを取り出して
カキカキカキ…
≪私、星川詩って言います。
背が低くてクラス表が見えません。
代わりに確認して貰えないでしょうか?≫
よし、これで完璧だ!
あとは、これを誰に見せるかだよね
う〜ん…あっ!!
掲示板から少し離れた所に
大きな人発見!!
金髪のモヒカン頭に耳には
たくさんのピアス
私と同じ1年生かな?
私と同じ1年生なら臙脂のネクタイを締めてるはずなんだけど…
まさかのノーネクタイだ
でももう金髪さんの目の前まで来ちゃった
あれ?もしや私のこと見えてない?
全く視線が合わない
それにしても本当に大きい〜
180センチくらいありそう
とにかく声掛けれないから
それ以外で気付いて貰うしかないよね
ーとんとん
手の甲を軽く叩いてみたら
目をパチパチしてびっくりしてる
なんだか可愛い!ふふ!
とりあえずお辞儀して笑って
ノートを彼の目線に掲げてみたんだけど
見えてるかな?
読み終わったのかノートと自分を
交互に指したから
笑って頷いて見せると
どうやら困っているのか眉が
八の字に下がっちゃった
やっぱり迷惑かな…
私も困って首を傾げちゃった
無理矢理頼んでも迷惑だし仕方ないね
ノートを下ろして
≪困らせちゃってごめんなさい。
他の人に聞いてみます!
ありがとうございました≫
と書いて彼の目線にもう一度掲げて見せた
そしてきちんとお辞儀して
踵を返そうとしたら手を掴まれて
すんごくびっくりしちゃった!
振り返ると眉を八の字にしたまま
「見に行くのは全然いいんだけどさ…
俺が傍に居ると、君に友達出来ないかもしれないんだよな〜。
こんな見た目してるし」
すごく寂しそうに笑うから
なんだか私もすごく寂しい
こんな風に気にかけてくれて
きっとすごく優しい人なのに…
なんで誰もそれに気付いてあげないんだろう
それがすごく悲しい
≪全然怖くないですよ?
私にはすごく優しい人に見えます!
お友達になりたいくらいなのに≫
ノートを見て私に視線を落とした彼は
「ありがとな!
俺は東雲錬太郎(しののめれんたろう)
錬って呼んでくれな!」
ニカッと笑った彼、錬は
太陽みたいに明るくて優しい人だ
私も笑って頷いた
あ!でも呼べないんだよね…
≪私は声を出すことが出来ないの。
だから、錬って呼べない…
ノートに書くことしか出来ない。
それでもいい?≫
首を傾げてノートを見せる
「そんなこと気にしねぇよ、俺。
だって友達だろ?
ってかさ、名前なんて読むんだコレ?」
すごく嬉しいよ、錬!
うんって大きく頷いてみせて
自己紹介する
≪ほしかわ うたって言うの!
うたでいいよ!
ちなみに1年生だよ、錬は?≫
「おっ、俺も今日から1年だ!
よろしくな、詩!!」
差し出された大きな手を掴んで
握手したんだけど
嬉しすぎてぴょんぴょんしちゃった!
そんな私を見て太陽みたいに明るい笑顔の
お友達第1号、錬と掲示板へ向かった