暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
奏side

今日の文化祭を楽しみにしていた詩ちゃん

そしてさっきまで楽しそうにしていたのに

何故こんなことに…

『ごめんなさい』と口を動かしたあと

北斗の腕の中で気を失った詩ちゃんを

僕達で保健室へと運んだ

あの後、立川さんも詩ちゃんの

異変に気付いて下っ端と共に

僕達と詩ちゃんの制服や鞄を

届けてくれた

詩ちゃんはまだ眠ったままだ

保健室に届く声はすごく楽しそうなのに

ここに流れる空気はとても重い…

『ごめんなさい』と口を動かしたあとの

詩ちゃんの瞳は今まで1度も見た事がない

ものだった

開店してから数十分の間に

詩ちゃんをここまでにさせる何かが

あったのは確実だ

こんな風にした何かを僕は許さない

徹底的に調べて見つけてみせる!

鞄から取り出したパソコンで

この学校に取り付けられた監視カメラを

ハッキングしてみよう

何かあるはずだ

僕の星竜での役割は情報管理だ

何としてでも見つけてみせる!

早く目を覚まして、詩ちゃん…

僕は君の笑顔が見たいんだ

詩ちゃんは鈍感だから気付いてないけど

きっと北斗が好き…

北斗も詩ちゃんが好き

2人が一緒になる時まででいいんだ

君を守らせて欲しい…
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