暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
錬side

さっきまで楽しそうにしてた詩

なのに、今は顔色も悪くて

ベットの上で眠ってる

初めて会った時から笑顔を絶やさない

それが俺の知る詩だったのに

倒れる直前に見た詩は無表情で

瞳には何も写してはいなかった

詩の笑顔に、言葉に俺は

救われた

俺の外見を見て離れて行く人達を

たくさん見てきた

暴走族だと分かると怯えて離れて行って

媚びを売るやつが寄ってくる

そんな毎日を過ごして俺は人に

壁を作ってきた

離れて行くなら初めから

近づかなきゃいけない…

認めてくれる仲間が居れば

それだけでいいと諦めてたのに

詩に出逢って俺は救われた

俺の外見や暴走族だって事が分かっても

俺は俺だと、俺自身を見てくれた

すげぇ嬉しかったんだ

だから今度は俺が詩を救う番だ!

仲間以外で初めて出来た、大切な人…

詩が笑顔になれるなら

俺の元気を分けてやるから!
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