暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
北星との抗争
詩side
カーテンの隙間から見える光に照らされて
目を覚ました私
ん〜…よく寝たぁ〜
今何時だろう?
携帯で時間を確認しようと
身体を起こそうとして気が付いた…
なんか、重いぃ〜!!
身体になにかが乗っかってるみたいな…
なんなの、一体!!
唯一動かせる頭をクルリと動かすと…
ええええええ!?
なんで?なんで〜!?
北斗の綺麗なお顔が間近にぃ〜!?
目線を下に向けると私の身体を
抱き締めるようにスヤスヤと眠る北斗
相変わらず綺麗なお顔だなぁ…
閉じられた瞼を縁取るまつげは長く
スーッと高い鼻梁に薄い唇
真っ黒でサラサラな髪…
って違〜う!!
重い原因はこれかぁ!!
うぅ〜ん!!動かない〜!!
北斗の腕から脱出を試みようともがいても
ビクともしない!
本当だったら大声で叫んで
起こせるんだろうけど
私にそれは不可能だ
むぅ…どうやって起こそうか?
ん?
あっ、そうかそうか…
声を出せなくてもあるじゃんか!!
唯一の方法が!!
怒られるかもしれないけど
この状態は非常に心臓に悪いんだよぉ〜
私だって一応女の子だもん!
ドキドキくらいは…するもん
心臓が完全に停止する前にやらねば!
えいっ!!
ーゴンッ
い、痛い〜!!!
痛がる私の背後から呻き声…
「…う、痛ぇ」
寝起きで掠れた声が聞こえたので
そろーっと後ろを振り返ると
おでこを押さえてこちらを睨む
我らが総長、北斗様!!
「詩…朝から何しやがる」
あの〜…はい、私の後頭部で
頭突きをしましたぁ〜!!
だってだって〜!!
手も足も使えない、声も出せない私が
起こせる方法はただひとつ…
唯一動かせる頭で起こすことなんだもん!
私悪くないよね!?
未だに後頭部が痛くて涙目の私は
視線だけで離して下さいと懇願してみる
すると、さっきまで睨みをきかせて
私を見ていた北斗は顔を真っ赤にして
更に身体を密着させてぎゅうぎゅうと
締め付けてきた
「あぁ〜、マジで可愛すぎだろ!」
か、かかか可愛い!?
何寝惚けた事言ってるの〜!!
私が可愛いなんてそんな事あるかぁ〜!!
この天然タラシめ〜!!
治まりかけていたはずの心臓が
胸から飛び出すんじゃない!?ってくらい
ドキドキ、バクバクしてるんですけど!!
…って
ち、違〜う!!
離れて〜!!
ジタバタして身をよじる私の耳元で
低く掠れた声を出す北斗の言葉に
私は石のように固まった
「もうちょい、このままでいさせろ。
離したくねぇ…」
北斗?
私を抱き締める腕はそのままで
首筋に顔を埋める北斗は
いつもの俺様で強引で
みんなのトップに立つ総長の北斗じゃなくて
ただの流川北斗という男の子で
なんだか少し、甘えん坊…
いつもの北斗じゃない気がして
私はドキドキする胸の音を感じながら
北斗の言葉のままに
北斗の腕が離されるまでジッとしていた
今日の抗争で不安に思うことがあるのかもしれないと思ったから…
常にみんなのトップに立つ責任とか
重圧とか、私には分からない何かが
北斗にはあって
甘えたりしたいのかもしれない
強い人は弱い人を守るけど
じゃあその強い人は誰が守るの?
弱音や愚痴、不安に思う事を
吐き出すことが北斗には出来ないの?
もしそうなら、私が
そうさせてあげられる存在になりたい…
私よりも遥かに強いこの人を
守りたい…
おこがましいと言われるかもだけど
それでも、いつも私に安心を与えてくれる
優しい北斗に何かしてあげたいって
そう思ったの
今だけはこのままで居てあげたいって…
背中から伝わる北斗の心音を感じながら
少しでも北斗の心が休まりますようにと
私はそっと目を閉じた…
カーテンの隙間から見える光に照らされて
目を覚ました私
ん〜…よく寝たぁ〜
今何時だろう?
携帯で時間を確認しようと
身体を起こそうとして気が付いた…
なんか、重いぃ〜!!
身体になにかが乗っかってるみたいな…
なんなの、一体!!
唯一動かせる頭をクルリと動かすと…
ええええええ!?
なんで?なんで〜!?
北斗の綺麗なお顔が間近にぃ〜!?
目線を下に向けると私の身体を
抱き締めるようにスヤスヤと眠る北斗
相変わらず綺麗なお顔だなぁ…
閉じられた瞼を縁取るまつげは長く
スーッと高い鼻梁に薄い唇
真っ黒でサラサラな髪…
って違〜う!!
重い原因はこれかぁ!!
うぅ〜ん!!動かない〜!!
北斗の腕から脱出を試みようともがいても
ビクともしない!
本当だったら大声で叫んで
起こせるんだろうけど
私にそれは不可能だ
むぅ…どうやって起こそうか?
ん?
あっ、そうかそうか…
声を出せなくてもあるじゃんか!!
唯一の方法が!!
怒られるかもしれないけど
この状態は非常に心臓に悪いんだよぉ〜
私だって一応女の子だもん!
ドキドキくらいは…するもん
心臓が完全に停止する前にやらねば!
えいっ!!
ーゴンッ
い、痛い〜!!!
痛がる私の背後から呻き声…
「…う、痛ぇ」
寝起きで掠れた声が聞こえたので
そろーっと後ろを振り返ると
おでこを押さえてこちらを睨む
我らが総長、北斗様!!
「詩…朝から何しやがる」
あの〜…はい、私の後頭部で
頭突きをしましたぁ〜!!
だってだって〜!!
手も足も使えない、声も出せない私が
起こせる方法はただひとつ…
唯一動かせる頭で起こすことなんだもん!
私悪くないよね!?
未だに後頭部が痛くて涙目の私は
視線だけで離して下さいと懇願してみる
すると、さっきまで睨みをきかせて
私を見ていた北斗は顔を真っ赤にして
更に身体を密着させてぎゅうぎゅうと
締め付けてきた
「あぁ〜、マジで可愛すぎだろ!」
か、かかか可愛い!?
何寝惚けた事言ってるの〜!!
私が可愛いなんてそんな事あるかぁ〜!!
この天然タラシめ〜!!
治まりかけていたはずの心臓が
胸から飛び出すんじゃない!?ってくらい
ドキドキ、バクバクしてるんですけど!!
…って
ち、違〜う!!
離れて〜!!
ジタバタして身をよじる私の耳元で
低く掠れた声を出す北斗の言葉に
私は石のように固まった
「もうちょい、このままでいさせろ。
離したくねぇ…」
北斗?
私を抱き締める腕はそのままで
首筋に顔を埋める北斗は
いつもの俺様で強引で
みんなのトップに立つ総長の北斗じゃなくて
ただの流川北斗という男の子で
なんだか少し、甘えん坊…
いつもの北斗じゃない気がして
私はドキドキする胸の音を感じながら
北斗の言葉のままに
北斗の腕が離されるまでジッとしていた
今日の抗争で不安に思うことがあるのかもしれないと思ったから…
常にみんなのトップに立つ責任とか
重圧とか、私には分からない何かが
北斗にはあって
甘えたりしたいのかもしれない
強い人は弱い人を守るけど
じゃあその強い人は誰が守るの?
弱音や愚痴、不安に思う事を
吐き出すことが北斗には出来ないの?
もしそうなら、私が
そうさせてあげられる存在になりたい…
私よりも遥かに強いこの人を
守りたい…
おこがましいと言われるかもだけど
それでも、いつも私に安心を与えてくれる
優しい北斗に何かしてあげたいって
そう思ったの
今だけはこのままで居てあげたいって…
背中から伝わる北斗の心音を感じながら
少しでも北斗の心が休まりますようにと
私はそっと目を閉じた…