暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
詩side
放課後、いつもと同じように1階で過ごす私は少〜しばかり浮ついてます!
だって…
律のお陰で、私は北斗の事が好きって
恋してるんだって分かったから
放課後のこの時間は下っ端のみんなと
過ごす大切で大好きな時間なのに
どこか上の空で心ここに在らずなの
だから目の前では凛くんや幸くん、宏くんが顔を見合わせて首を捻ってるなんて、私は全く気付いてなくて…
それにしてもどうしよう〜!?
昨日恋が何なのか分からないと
返事を保留にして貰ったのに
1日経たずに返事していいものなの?
でも北斗は待ってるって言ってくれたし…
ちゃんと北斗と同じ気持ちだってこと
早く伝えたい
ウジウジするのは私らしくないよね!
そうと決まれば即行動しなきゃと
北斗の居るであろう幹部室へと猛ダッシュ!
ーバァン!!
扉を開けた先には
驚きの表情を浮かべ目を丸くする、みんなが私を見つめていた
いち早くその驚きから覚めた奏に声を掛けられた私はクスクス笑われちゃって、なんとも恥ずかしい〜!
「詩ちゃん、いきなりどうしたの?
何かあった?」
私の脳内がお花畑になってる事は一旦置いておいて、北斗の席を指差して首を傾げて
どこにいるかを尋ねた
伝わってる?
筆談の方が良かったかな?なんて思ってたけど、奏には分かったみたい
「北斗なら総長室に居るよ」
その言葉に笑顔で頷いて、私は2階の1番奥にある総長室へと小走りで向かった
私が出て行った後の幹部室で、みんなが首を捻っていた事は知る由もなかった
総長室の前で数回、深呼吸をして今更緊張しているんだって分かった
一刻も早く伝えたいと思ってたのに
今は胸がぎゅっとなって、少し息苦しいくらい
だけどそれは苦しいとかじゃない、不思議な感覚なんだ
フゥ〜と最後の深呼吸を終えて、片手を胸に当てながらノックしようとした瞬間…
部屋の向こう側から聞こえてきた言葉に
私の手は扉からゆっくりと手を遠ざけていた
早くこの場から動きたいのに、足が震えて
指先は凍えるほど冷たくて
心臓は昨日の北斗からの告白の時より
北斗と同じ気持ちだと分かった時より
今この瞬間が1番ドクドクしてる気がするんだ
だって…
私以外の誰かに向けて優しく穏やかな声で、昨日私に言ってくれた言葉を紡いでるんだから…
「…好きだって、穂花。
守ってやるって言ったろ?
だから、心配すんな」
穂花、さん…?
北斗…その人が好きなの?
じゃあ、私に昨日言ってくれた言葉は
嘘だった?
初めて好きになって守ってやりたいって言ってくれたのも、嘘?
ねぇ、待ってるって言ってくれたでしょ?
私、昨日告白してくれて
すっごく嬉しかったの
今まで、そんな気持ちを持つ余裕もなく生きてきたから沢山悩んだの…
だけど律が教えてくれたんだ
人を好きになることや恋する気持ちが
どんなものかを…
初めてなんだ、こんな気持ちを持てたこと
だけど本当に初めてだから分からないの…
こういう時どうすればいいのが正解なのか
私には分からないよ、北斗…
私に伝えてくれた気持ちはホンモノ?
それともその人…穂花さんに伝えている気持ちがホンモノ?
私は何を信じればいい?
ねぇ、北斗…
頬に伝う涙もそのままに
私は静かに一歩ずつ離れた
さっきまで幸せな気持ちでいっぱいだった心が、今はキリキリと突き刺すように痛む
すごく苦しいよ、北斗…
ーガチャ
「おわぁっ!?びっくりしたぁー!
詩じゃんか…
って、おい…どうした?泣いてんのか?」
突然開いた扉から出てきた錬に顔を覗き込まれた私は、次の瞬間抱き上げられていた
突然の事にも反応出来ない私は
ただ優しく背中を撫でてくれる錬に
そのまま身を委ねて声にならない声を上げて
泣きじゃくった
≪〜〜〜〜〜≫
この胸の痛みが何なのか、どうして苦しいのか、どうしてこんなにも涙が溢れて止まらないのかも…私には分からないよ
誰か、助けて欲しいよ…
錬の言葉を不審に思ったみんなが驚き、
切なく顔を歪めていたなんて
錬の胸にしがみついて泣く私は
自分のことでいっぱいいっぱいで知らなかったんだ…
私を抱き上げながら、優しく背中を撫でてくれる錬が総長室から出てきて驚きの目で私を見つめていた北斗を睨んでいたことも…
放課後、いつもと同じように1階で過ごす私は少〜しばかり浮ついてます!
だって…
律のお陰で、私は北斗の事が好きって
恋してるんだって分かったから
放課後のこの時間は下っ端のみんなと
過ごす大切で大好きな時間なのに
どこか上の空で心ここに在らずなの
だから目の前では凛くんや幸くん、宏くんが顔を見合わせて首を捻ってるなんて、私は全く気付いてなくて…
それにしてもどうしよう〜!?
昨日恋が何なのか分からないと
返事を保留にして貰ったのに
1日経たずに返事していいものなの?
でも北斗は待ってるって言ってくれたし…
ちゃんと北斗と同じ気持ちだってこと
早く伝えたい
ウジウジするのは私らしくないよね!
そうと決まれば即行動しなきゃと
北斗の居るであろう幹部室へと猛ダッシュ!
ーバァン!!
扉を開けた先には
驚きの表情を浮かべ目を丸くする、みんなが私を見つめていた
いち早くその驚きから覚めた奏に声を掛けられた私はクスクス笑われちゃって、なんとも恥ずかしい〜!
「詩ちゃん、いきなりどうしたの?
何かあった?」
私の脳内がお花畑になってる事は一旦置いておいて、北斗の席を指差して首を傾げて
どこにいるかを尋ねた
伝わってる?
筆談の方が良かったかな?なんて思ってたけど、奏には分かったみたい
「北斗なら総長室に居るよ」
その言葉に笑顔で頷いて、私は2階の1番奥にある総長室へと小走りで向かった
私が出て行った後の幹部室で、みんなが首を捻っていた事は知る由もなかった
総長室の前で数回、深呼吸をして今更緊張しているんだって分かった
一刻も早く伝えたいと思ってたのに
今は胸がぎゅっとなって、少し息苦しいくらい
だけどそれは苦しいとかじゃない、不思議な感覚なんだ
フゥ〜と最後の深呼吸を終えて、片手を胸に当てながらノックしようとした瞬間…
部屋の向こう側から聞こえてきた言葉に
私の手は扉からゆっくりと手を遠ざけていた
早くこの場から動きたいのに、足が震えて
指先は凍えるほど冷たくて
心臓は昨日の北斗からの告白の時より
北斗と同じ気持ちだと分かった時より
今この瞬間が1番ドクドクしてる気がするんだ
だって…
私以外の誰かに向けて優しく穏やかな声で、昨日私に言ってくれた言葉を紡いでるんだから…
「…好きだって、穂花。
守ってやるって言ったろ?
だから、心配すんな」
穂花、さん…?
北斗…その人が好きなの?
じゃあ、私に昨日言ってくれた言葉は
嘘だった?
初めて好きになって守ってやりたいって言ってくれたのも、嘘?
ねぇ、待ってるって言ってくれたでしょ?
私、昨日告白してくれて
すっごく嬉しかったの
今まで、そんな気持ちを持つ余裕もなく生きてきたから沢山悩んだの…
だけど律が教えてくれたんだ
人を好きになることや恋する気持ちが
どんなものかを…
初めてなんだ、こんな気持ちを持てたこと
だけど本当に初めてだから分からないの…
こういう時どうすればいいのが正解なのか
私には分からないよ、北斗…
私に伝えてくれた気持ちはホンモノ?
それともその人…穂花さんに伝えている気持ちがホンモノ?
私は何を信じればいい?
ねぇ、北斗…
頬に伝う涙もそのままに
私は静かに一歩ずつ離れた
さっきまで幸せな気持ちでいっぱいだった心が、今はキリキリと突き刺すように痛む
すごく苦しいよ、北斗…
ーガチャ
「おわぁっ!?びっくりしたぁー!
詩じゃんか…
って、おい…どうした?泣いてんのか?」
突然開いた扉から出てきた錬に顔を覗き込まれた私は、次の瞬間抱き上げられていた
突然の事にも反応出来ない私は
ただ優しく背中を撫でてくれる錬に
そのまま身を委ねて声にならない声を上げて
泣きじゃくった
≪〜〜〜〜〜≫
この胸の痛みが何なのか、どうして苦しいのか、どうしてこんなにも涙が溢れて止まらないのかも…私には分からないよ
誰か、助けて欲しいよ…
錬の言葉を不審に思ったみんなが驚き、
切なく顔を歪めていたなんて
錬の胸にしがみついて泣く私は
自分のことでいっぱいいっぱいで知らなかったんだ…
私を抱き上げながら、優しく背中を撫でてくれる錬が総長室から出てきて驚きの目で私を見つめていた北斗を睨んでいたことも…