暴走族の天使〜紡ぐ言葉を聴きたくて〜
それぞれの気持ちの行方
詩side
大きくて温かい何かに包まれながら私は夢を見ていた
孤児院に捨てられる前の辛くて悲しい頃の夢
アメリカ人のママと日本人のパパとの間に生まれた私は、容姿がママそっくりで虐められる事もあったけど、2人が居ればそれだけで幸せだった
笑顔が素敵なママと優しいパパが居れば…
だけど
ママが私を庇って事故に遭って亡くなって
パパは変わってしまったの
ママが居なくなってからの私はパパに殴られたり蹴られたり、時には罵られる事も多くて毎日我慢して過ごしてた
“お前がアリアを殺したんだ!”
“お前なんか要らない!アリアを返せ!”
“アリアの苦しみを思い知れ!”
“お前なんか居なけりゃ良かったんだ!”
毎日のように続く言葉の刃で私の心は
ズタズタに傷付けられていた
でもそれはパパの大切な人を私が奪ってしまったからで、これは私に与えられた罪と罰なのだと幼心にも分かってたから…
ひたすら耐えた
殴られても蹴られても罵られても、パパには私に対してそうする権利があるって思ったから
だけど、我慢し続けた結果…
ストレスによる失声症で声を失い、感情をも失くしたただの人形みたいになってた
殴られても蹴られても、何の反応も見せない人形のような私に嫌気がさしたパパに、
小学2年生の頃捨てられた
小さいながらに、捨てられて当然なのだと理解していたの
孤児院で暮らし始めても私の心は凍ったまま、誰にも心を開くことはない壊れた人形だった私
私のせいでママは死んで、パパは苦しみ人格が変わってしまった
全部私が壊してしまったんだ
だから私は感情という感情を捨てて
毎日を過ごしていた
私は人の幸せを奪った人間だから、幸せになっちゃいけない
愛して貰っていた記憶は靄がかかって霞み、愛されなかった記憶だけが残った
だから孤児院に捨てられた日から
優しい笑顔で接してくれる園長先生にも
いつか捨てられるって思った
私はママを殺し、パパを変えてしまい
声を失って感情も無くなった人形だから…
私は要らない子なんだって捨てられる
捨てられる事が前提なら、初めから心を開かなければいい
優しくされたり、抱き締めて貰ったり
温もりを感じた後に失うことは、新たに傷を深くするだけだって身を持って知っていたからかもしれない
だから話せなくなった私は、とことんそれを利用した
話せないって分かったら自然と話しかけてくる子も減って、気付けば私は孤児院の中でもいつも1人だった
人は簡単に変わる…
心も体も気持ちも言葉も…
その度に心がキリキリするくらいなら、初めから距離を置いておけばいいし、他人との間にバリアを張って私に近付けないようにすればいい
人は必ず離れていくし、信じるのも難しい
人の心なんて、そう簡単に分からないもの
みんなが私の心を分からないように
私もみんなの心が分からない
そんな完全なる人間不信の私の傍には
いつも園長先生が居て、私がやることなす事に喜怒哀楽の表情を浮かべて、無視しても離れずに接してくれた
そんな日々が4年程続いた…
私は相変わらず話せないままだったけど
中学生に上がる頃には園長先生には
心を開いて感情も戻りつつあった
どんなに突き放しても、変わらずに傍に居てくれた心優しい人
カチカチに固まってしまった私の氷のような心を傷つけないように、少しずつ温めて溶かしてくれた
そして優しさだけじゃなくて、時には厳しさも教えてくれた
これから先にあるのは幸せな事ばかりではなくて、辛く悲しい事も沢山ある
前に進めなくて立ち止まっては、
何度も後ろを振り返る事もあるかもしれない
もう歩くのもやめたいと思うかもしれない
それでも諦めずに歩みを進めていれば
今までとは違うものが見えてくる
人と同じペースでなくていい
自分のペースで歩いていけばいい
自分の歩く道は自分だけのものだから、その道の上なら寄り道しても立ち止まっても
後ろに戻っても構わない
そういう過程があって未来の自分が造られていくんだよって園長先生は言ってたっけ…
だから傷付けられるんじゃないかって
疑うよりも、1度相手を受け入れてみる
信じれるか信じられないかは
相手と同じ目線に立ってから
見えている姿だけでどんな人かを決めつけないで、見えていない内に秘めるものを見つめなさい
そう教わって私は中学校から、諦めかけていた人との関わりを持とうと必死だった
だけど、努力は実らず3年間を過ごして卒業…
でも3年間人と関わることを努力した結果
私は声を出せない以外は変われたんだ
壊れた人形の面影はなくて
本来の私に戻れたと思う
感情を殺すことなく出せるようになったし、心も強くなった
人を信じる強さを持てた
全部全部、園長先生のお陰なの!
だけど、どうしてだろうね…
人が変わる瞬間を見てしまったら…
それが大切で大好きな人だからこそ
動揺して怖くて、信じることがすごく怖いなんて思ってしまった
星竜のみんなは、信じられるし信じたい人達なのに、怖いと思ってしまう私は最低だよね
でもすごく怖いの…
離れていかれるのが…
捨てられるのが…
嫌われるのが…
そして1番怖いのは、みんなを信じることが出来なくなりそうな自分だ
北斗…
あなたは信じれる人ですか?
大きくて温かい何かに包まれながら私は夢を見ていた
孤児院に捨てられる前の辛くて悲しい頃の夢
アメリカ人のママと日本人のパパとの間に生まれた私は、容姿がママそっくりで虐められる事もあったけど、2人が居ればそれだけで幸せだった
笑顔が素敵なママと優しいパパが居れば…
だけど
ママが私を庇って事故に遭って亡くなって
パパは変わってしまったの
ママが居なくなってからの私はパパに殴られたり蹴られたり、時には罵られる事も多くて毎日我慢して過ごしてた
“お前がアリアを殺したんだ!”
“お前なんか要らない!アリアを返せ!”
“アリアの苦しみを思い知れ!”
“お前なんか居なけりゃ良かったんだ!”
毎日のように続く言葉の刃で私の心は
ズタズタに傷付けられていた
でもそれはパパの大切な人を私が奪ってしまったからで、これは私に与えられた罪と罰なのだと幼心にも分かってたから…
ひたすら耐えた
殴られても蹴られても罵られても、パパには私に対してそうする権利があるって思ったから
だけど、我慢し続けた結果…
ストレスによる失声症で声を失い、感情をも失くしたただの人形みたいになってた
殴られても蹴られても、何の反応も見せない人形のような私に嫌気がさしたパパに、
小学2年生の頃捨てられた
小さいながらに、捨てられて当然なのだと理解していたの
孤児院で暮らし始めても私の心は凍ったまま、誰にも心を開くことはない壊れた人形だった私
私のせいでママは死んで、パパは苦しみ人格が変わってしまった
全部私が壊してしまったんだ
だから私は感情という感情を捨てて
毎日を過ごしていた
私は人の幸せを奪った人間だから、幸せになっちゃいけない
愛して貰っていた記憶は靄がかかって霞み、愛されなかった記憶だけが残った
だから孤児院に捨てられた日から
優しい笑顔で接してくれる園長先生にも
いつか捨てられるって思った
私はママを殺し、パパを変えてしまい
声を失って感情も無くなった人形だから…
私は要らない子なんだって捨てられる
捨てられる事が前提なら、初めから心を開かなければいい
優しくされたり、抱き締めて貰ったり
温もりを感じた後に失うことは、新たに傷を深くするだけだって身を持って知っていたからかもしれない
だから話せなくなった私は、とことんそれを利用した
話せないって分かったら自然と話しかけてくる子も減って、気付けば私は孤児院の中でもいつも1人だった
人は簡単に変わる…
心も体も気持ちも言葉も…
その度に心がキリキリするくらいなら、初めから距離を置いておけばいいし、他人との間にバリアを張って私に近付けないようにすればいい
人は必ず離れていくし、信じるのも難しい
人の心なんて、そう簡単に分からないもの
みんなが私の心を分からないように
私もみんなの心が分からない
そんな完全なる人間不信の私の傍には
いつも園長先生が居て、私がやることなす事に喜怒哀楽の表情を浮かべて、無視しても離れずに接してくれた
そんな日々が4年程続いた…
私は相変わらず話せないままだったけど
中学生に上がる頃には園長先生には
心を開いて感情も戻りつつあった
どんなに突き放しても、変わらずに傍に居てくれた心優しい人
カチカチに固まってしまった私の氷のような心を傷つけないように、少しずつ温めて溶かしてくれた
そして優しさだけじゃなくて、時には厳しさも教えてくれた
これから先にあるのは幸せな事ばかりではなくて、辛く悲しい事も沢山ある
前に進めなくて立ち止まっては、
何度も後ろを振り返る事もあるかもしれない
もう歩くのもやめたいと思うかもしれない
それでも諦めずに歩みを進めていれば
今までとは違うものが見えてくる
人と同じペースでなくていい
自分のペースで歩いていけばいい
自分の歩く道は自分だけのものだから、その道の上なら寄り道しても立ち止まっても
後ろに戻っても構わない
そういう過程があって未来の自分が造られていくんだよって園長先生は言ってたっけ…
だから傷付けられるんじゃないかって
疑うよりも、1度相手を受け入れてみる
信じれるか信じられないかは
相手と同じ目線に立ってから
見えている姿だけでどんな人かを決めつけないで、見えていない内に秘めるものを見つめなさい
そう教わって私は中学校から、諦めかけていた人との関わりを持とうと必死だった
だけど、努力は実らず3年間を過ごして卒業…
でも3年間人と関わることを努力した結果
私は声を出せない以外は変われたんだ
壊れた人形の面影はなくて
本来の私に戻れたと思う
感情を殺すことなく出せるようになったし、心も強くなった
人を信じる強さを持てた
全部全部、園長先生のお陰なの!
だけど、どうしてだろうね…
人が変わる瞬間を見てしまったら…
それが大切で大好きな人だからこそ
動揺して怖くて、信じることがすごく怖いなんて思ってしまった
星竜のみんなは、信じられるし信じたい人達なのに、怖いと思ってしまう私は最低だよね
でもすごく怖いの…
離れていかれるのが…
捨てられるのが…
嫌われるのが…
そして1番怖いのは、みんなを信じることが出来なくなりそうな自分だ
北斗…
あなたは信じれる人ですか?