朝 日常
今日はとても暑い。夏の昼間だ。部屋の外から蝉の鳴き声が聞こえる。エアコンはつけない。電気代が高くなるのが怖いからだ。今月から始めた派遣のバイトはきつくあまりシフトに入っておらずお金がない。貯金も切り崩し一人暮らしをしている。僕は布団の中で携帯でyoutubeを見ていた。ゲームの実況動画だ。前に何度も見たこの動画はどんな内容か知っておりあまり笑えない。けどなんとなく見ていた。ふとLINEを開いた。昔好きだった女の子からの連絡が入っていた。好きで口説こうとし毎日連絡を取り合っていたのだが時間が経ちマンネリ化していた。連絡を返そうと彼女のページを開いたが返す言葉が見つからない。早く返さないと既読無視してるって思われると感じたが頭が回らない。仕方なく適当な言葉を返した。送った後に後悔する。もっとちゃんと送ればよかった。携帯が震える。メールが来たみたいだ。開いてみると昨日面接を受けた制作会社からの返信だった。明後日に返信すると言っていたのに。内容を見ると不採用だった。まあ分かっていた事だったし落ち込まない準備もしていた。しかし結構へこむ。すぐ新しい求人を探そうと思いサイトを検索したがやる気が出ず辞めてしまった。「家賃が払えなかったらどうしよう」そんなことを考えていた。気分は鬼束ちひろだ。目が鬼束ちひろだ。朝ごはんでも買いにコンビニ行くことにした。上はいつもと同じシャツを羽織る。ズボンは変えず靴下は落ちていた物を履く。昨日面接のために買った長い靴下だ。玄関に行き以前働いていた日本料理屋の厨房シューズを履く。靴がボロボロでこれしかないのだ。新しい靴を買うお金もなく仕方なくこれを履いている。外に出ると意外に涼しかった。イヤホンで鬼束ちひろを聴きながらコンビニに行く。コンビニに着くと迷わずサンドイッチのコーナーに行く。そこに好きなホットドッグがあるのだ。しかしその日はなかった。かなりお客さんが入った後なのか商品棚にはあまり物がなく店員が商品を補充していた。どのように置くのか迷っている店員を羨ましく思う。レジを見ると店員が背筋を伸ばし入ってくるお客さんに挨拶していた。僕はカレーを手に取りレジに向かう。
僕は会計を済ませている間にカレーを温めてもらっていた。こういう時に効率の悪い店員がいると困る。急いでいるわけではないのだがイラついてしまう。今回は何もなく済ませることができた。店を出るととても暑い。長い間店の冷房にあたっていたせいで外が暑く感じるのだ。家に帰ると部屋がとても暑かった。冷房をつけたかったがお金がないので辞めておく。袋からカレーを取り出し蓋を開けた。気がつくと鬼束ちひろは終わっていた。今はイヤホンからポルノグラフィティが流れている。
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