いつか君の笑顔が戻りますように
「あたしね。最低なんだ。」

黙ってあたしの話を聞いてくれた。

「あたしね。ほんとは美容師になりたかったんだ。
けど。高校ん時にぶつけられた左中指のせいで美容師になれなくて専門辞めた。美容師なりたかったんだ。ほんとは。
それから付き合ってた彼氏と夢があって2人の店出そうと言われたけど辞めたと同時に彼氏を振った。この前付き合ってた人はシンナーやっててホストになるって遠距離になって人が変わって来るのが目に見えて振った。
あたし最低なんだよね。自分の夢も叶えられないし男振るし。親に反発ばっかりするし。」

「結雨のさ夢って美容師だったんだ。」

「うん。お母さんがね?美容師で同じ道歩きたかった。」

「最低じゃないじゃん。他にもあるんだと思うけどさ。これから幸せ見つけたらいいじゃん!?」

「笑顔になかなかなれなかったりするのって
自分せめてんの?」
「…。」
「お前さぁさっき俺に冷めた目しただろ。」

ムッとなるあたしに聖君は言った。

「俺がそばにいてやるし
辛い事あってもすぐ行ってやるから。
笑えよ。俺守ってやるから。素直になれよ。」

素直。

素直になるって
どうしたらいいの?
我慢してきて
夢も失ったあたしが素直になれだなんて
そんな難しいよ。
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