今が思い出にならないために。
一通り研究室の説明をみる。その中に一つ気になるものがあった。
地域の素材を有効活用して、畜産・水産分野で応用する。
これ、まさに今自分が思い描いている研究だ。
ここを見学するしかない!
そう思ってアポをとるためのアドレスを控えて筆箱に入れた。
とりあえず研究を一段落させなくては。研究室で試験管とにらめっこする日々が続いた。
一ヶ月ほどが過ぎ、ドブと溶剤の混ざったような薬品臭が染み付いた白衣を脱ぎ捨て、研究室訪問のアポイントをとるためメールを送った。
そうだ。彼にも連絡しよう。そう思ってスマホを開き、メッセージを入力する。
[実は、今の大学の院に進もうと思ってたんだけど、それだと色々厳しいなって思ってて。]
[海斗くんの進む大学院に気になる研究室があるから、一度見学してみようと思う!]
すぐに既読がついたが、いつになく返信が来ない。
そのまま何日かが過ぎた。
きっと忙しいんだなと思ったが、漠然とした不安がよぎった。
私、なんかへんなこと言ったっけ…見学するとか、言わない方が良かったかな?そんなことを考えていると、スマホが音をたてた。
津久見 海斗。彼からだ。
[そうなの!?]
[一応、何度か見に行ってるし何かあったら何でも聞いて!]
いたって普通の彼からの連絡に、不安は何処かへ消え去った。
地域の素材を有効活用して、畜産・水産分野で応用する。
これ、まさに今自分が思い描いている研究だ。
ここを見学するしかない!
そう思ってアポをとるためのアドレスを控えて筆箱に入れた。
とりあえず研究を一段落させなくては。研究室で試験管とにらめっこする日々が続いた。
一ヶ月ほどが過ぎ、ドブと溶剤の混ざったような薬品臭が染み付いた白衣を脱ぎ捨て、研究室訪問のアポイントをとるためメールを送った。
そうだ。彼にも連絡しよう。そう思ってスマホを開き、メッセージを入力する。
[実は、今の大学の院に進もうと思ってたんだけど、それだと色々厳しいなって思ってて。]
[海斗くんの進む大学院に気になる研究室があるから、一度見学してみようと思う!]
すぐに既読がついたが、いつになく返信が来ない。
そのまま何日かが過ぎた。
きっと忙しいんだなと思ったが、漠然とした不安がよぎった。
私、なんかへんなこと言ったっけ…見学するとか、言わない方が良かったかな?そんなことを考えていると、スマホが音をたてた。
津久見 海斗。彼からだ。
[そうなの!?]
[一応、何度か見に行ってるし何かあったら何でも聞いて!]
いたって普通の彼からの連絡に、不安は何処かへ消え去った。