今が思い出にならないために。
夏休みに入ったと同時に彼から連絡がきた。

[明日からそっちいくわ、二週間くらいいるかも]

[予定合うとき一緒に会おう!]


ついに会えるときがきた。わくわくしながら、すぐに返信する。

[明後日空いてるよ!]

[前行ったカフェで待ち合わせしよう]


そして、彼と会う日。
少しおしゃれをして例のカフェへと向かうと、夏らしい爽やかな服装の男子が走ってきた。

「ごめん、少し遅れた」

『ううん、今着いたばっかだし大丈夫!』




カフェへと入り、アイスコーヒーをたのんだ。
先に飲む彼を見つめる。

「うん、…うまい!飲んでみ!」


彼があの無邪気な表情を見せた。
なんだか心の奥底からホッとする。

アイスコーヒーの香りがいつもより華やかに感じた。
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