この声がキミに届くのなら
たしかに、なにもない屋上で怪我をするなんて不自然だ。
真っ先に、あのフェンスを上ったと想像がつく。
「でも……。」
彼が頭を打ったことが心配で、わたしは立ち上がった。
_ くらっ。
目の前が歪んで見えて、よろけた。
「おいっ!!」
彼は急いでわたしを支えた。
「ごめんね……。」
再び涙が溢れてきて、彼に申し訳なさでいっぱいになる。
そんなわたしの頭を彼は優しく撫でてくれた。