あのね、ほんとはね。
私の肩に悠くんはおでこを当てる。
少し震えてる。
泣いてるのかな。
あぁ、もう本当に。
伝えられないんだよ。私。
幸せになって欲しかったの。悠くん。
私もそっと悠くんの背中に手を回す。
帰ってきてほしくなかった。
本当は帰ってきてくれて嬉しかった。
でも、私じゃ悠くんを癒せないの。
違う“だれか”じゃないとダメなんだ。
でも私はひどい奴だから。
ずっとこのままでいて欲しい。
ずっとこのままでいたい。