Smile Again 〜本当の気持ち〜
気が付いたら、私は家に戻っていた。ご飯も食べたし、お風呂もちゃんと入ったけど、でも私はずっと聡志のことを考えていた。親に話し掛けられても上の空で、勉強も手に付かずに・・・。
聡志が帰って来てから、もう3度目の夏。ちょうど1年前か、甲子園出場を決めた聡志のリクエストに応えて、唐揚げ作ったの。
なのに、あいつときたら、その時、私が前みたいにまた話そうって言ったら、嫌だって・・・。さすがに凹んだ、あれは。
もうしらない、あんな奴。そう思ったの、再会してから何度目だったろう。
でも結局、なぜか気になって、いつの間にか、見てないふりして、あいつのことを見てるんだ。今日だって、少しでも励ましてやれればなんて、わざわざ学校まで戻ってしまった。どこまでお人好しなんだろうって、自分に呆れながら。
でも、まさかあんなことになるなんて・・・。
聡志は、なんであんなことをしたんだろう?それがまず、わからなかったし、なんの抵抗もせずに、あいつに抱きしめられてた自分が信じられなかった。
男の子にあんなことされたのが初めてだったから、動揺したのは確かだし、聡志にしばらくこのままでって言われたのもあるけど、いつもの私なら
「ふざけないでよ。」
くらいのことを言って、あいつを突き放そうとしたはず。でも私はそれをしなかった、いや出来なかったと言った方が正しかった気がする。
あの時、私は嬉しいとは思わなかったけど、正直、ドキドキしてた。ドクンドクンと早鐘のように鳴る聡志の鼓動が聞こえて来て、聡志のぬくもりが感じられて、ちょっぴり汗臭いあいつの香りに包まれて、でも、それが全然嫌じゃなくて・・・。
あいつはなかったことにしたいらしいけど、私とあいつが幼なじみなのは、紛れもない事実。物心付いた頃から、いつも一緒で、大の仲良しだった。私は小さい頃から、「泣き虫由夏」って、みんなにからかわれるくらいよく泣いていた。転んだと言っては泣き、男の子にいじめられたと言っては泣いて、その度に聡志に慰められ、聡志に守ってもらってた。
そんな聡志が大好きで、聡志にくっついて歩いてた幼い頃の私。
そうだよ、私は昔、聡志が大好きだったんだ。聡志に僕のお嫁さんになってって言われた時、私は即答でイエスって言ったのをはっきり覚えてる。
それが急に、気まずくなって、話せなくなって、離れ離れになった。聡志が仙台に出発した日、私は見送りに出ることが出来ずに、部屋に閉じこもって泣いていた。とうとう仲直り出来ないまま、聡志は行ってしまった。悲しくて、ツラくて、悔しくて、涙が止まらなかった。
それが、まさかの再会をして、今日に至ってる。
でも、こうやって考えて行くと、聡志を好きだったことはよく覚えてるけど、嫌いになった記憶がない。再会してからも、この野郎って思ったことは何度もあったけど、やっぱり完全に嫌いにはなれてない。
それって、まさか・・・?
こうして、悶々とした時間を過ごしてきた私が、ついに気付いてしまったのは、もう夜が白々と明け始めた頃だった。
そうなんだ。私やっぱり、聡志のこと、好きなんだ、好きなままだったんだ・・・。
そう認めるしかなかった。
聡志が帰って来てから、もう3度目の夏。ちょうど1年前か、甲子園出場を決めた聡志のリクエストに応えて、唐揚げ作ったの。
なのに、あいつときたら、その時、私が前みたいにまた話そうって言ったら、嫌だって・・・。さすがに凹んだ、あれは。
もうしらない、あんな奴。そう思ったの、再会してから何度目だったろう。
でも結局、なぜか気になって、いつの間にか、見てないふりして、あいつのことを見てるんだ。今日だって、少しでも励ましてやれればなんて、わざわざ学校まで戻ってしまった。どこまでお人好しなんだろうって、自分に呆れながら。
でも、まさかあんなことになるなんて・・・。
聡志は、なんであんなことをしたんだろう?それがまず、わからなかったし、なんの抵抗もせずに、あいつに抱きしめられてた自分が信じられなかった。
男の子にあんなことされたのが初めてだったから、動揺したのは確かだし、聡志にしばらくこのままでって言われたのもあるけど、いつもの私なら
「ふざけないでよ。」
くらいのことを言って、あいつを突き放そうとしたはず。でも私はそれをしなかった、いや出来なかったと言った方が正しかった気がする。
あの時、私は嬉しいとは思わなかったけど、正直、ドキドキしてた。ドクンドクンと早鐘のように鳴る聡志の鼓動が聞こえて来て、聡志のぬくもりが感じられて、ちょっぴり汗臭いあいつの香りに包まれて、でも、それが全然嫌じゃなくて・・・。
あいつはなかったことにしたいらしいけど、私とあいつが幼なじみなのは、紛れもない事実。物心付いた頃から、いつも一緒で、大の仲良しだった。私は小さい頃から、「泣き虫由夏」って、みんなにからかわれるくらいよく泣いていた。転んだと言っては泣き、男の子にいじめられたと言っては泣いて、その度に聡志に慰められ、聡志に守ってもらってた。
そんな聡志が大好きで、聡志にくっついて歩いてた幼い頃の私。
そうだよ、私は昔、聡志が大好きだったんだ。聡志に僕のお嫁さんになってって言われた時、私は即答でイエスって言ったのをはっきり覚えてる。
それが急に、気まずくなって、話せなくなって、離れ離れになった。聡志が仙台に出発した日、私は見送りに出ることが出来ずに、部屋に閉じこもって泣いていた。とうとう仲直り出来ないまま、聡志は行ってしまった。悲しくて、ツラくて、悔しくて、涙が止まらなかった。
それが、まさかの再会をして、今日に至ってる。
でも、こうやって考えて行くと、聡志を好きだったことはよく覚えてるけど、嫌いになった記憶がない。再会してからも、この野郎って思ったことは何度もあったけど、やっぱり完全に嫌いにはなれてない。
それって、まさか・・・?
こうして、悶々とした時間を過ごしてきた私が、ついに気付いてしまったのは、もう夜が白々と明け始めた頃だった。
そうなんだ。私やっぱり、聡志のこと、好きなんだ、好きなままだったんだ・・・。
そう認めるしかなかった。