Smile Again 〜本当の気持ち〜

結局、ほとんど眠れないまま、朝を迎えてしまった私。今日は学校はお休みにも関わらず、やたら早起きして来た私に親は、驚きの視線を向けて来たけど、気にせず、朝食を摂り、慌ただしく身支度を整えると


「ちょっと出掛けて来ます、すぐに戻るから。」


と言って、あっけにとられる親を尻目に家を出た。


向かったのは、聡志の家。今日も太陽は朝から、絶好調。その陽を浴びながら、私はペダルを漕いだ。


10分ほどして、マンションに着いた私は、早速聡志の家の呼び出しボタンを押す。


「あら、由夏ちゃん。」


出た聡志のお母さんが、驚いてる。無理もない、まだ8時だもん。


「おはようございます。あの、聡志いますか？」


挨拶もそこそこに、聞く私に、おばさんは答える。


「聡志なら、もう練習に行ったわよ。」


えっ、練習？一瞬、虚をつかれたが、考えてみれば、昨日試合に負けちゃったとは言え、それで即部活引退になるわけじゃない。


「わかりました、ありがとうございました。」


おばさんにお礼を言うと、私はまた自転車に飛び乗り、駅に向かって、走り出した。学校へ行くつもりだった。


何を朝から騒いでるのかって？聡志に会いたいんだ。なんでかって？だって好きなんだもん、好きだって気づいちゃったから、会いたいんだもん。それにあいつにどうしても確かめたいことがあるんだ。


突然、恋する乙女となってしまった私は夢中で、電車に乗り込んだ。通い慣れた通学路が、こんなにもどかしく感じたことはない。早く、早く聡志に会いたい、学校の最寄り駅に着いた私は電車を飛び降りる。


遅刻しそうになっても、こんなには急がないんじゃないかと思うくらいのスピードで学校に到着した私は、グラウンドに急いだ。


そして、そこで私は驚きの光景を目にした。