Smile Again 〜本当の気持ち〜
2学期が始まってから、2日目。私が朝、教室に入ると、何となく、いつもと様子が違う。
(あれ?)
なぜか聡志と沖田くんの周りに女子が何人か、群がっている。珍しい光景に、一瞬首を捻ったけど、すぐに気がついた。
(そうか、2人に白鳥先輩のこと、いろいろ取材してるのか。)
受験生にとって、胸突き八丁と言われる夏休みが過ぎ、いよいよスパートの時期を迎えたというのに、いやはや。
まぁ、私は松本先輩派だったけど、改めて見ると、やっぱり白鳥先輩はカッコいい。女子が浮き足立つのもわかるよね。
それにしても、人当たりのいい沖田くんならともかく、あのとっつきにくさでは定評のある聡志にまで、聞き込みしてるんだから、恋のパワーって凄いもんだな。
私の恋は実質何時間だったっけな?気がついたと思ったらあっという間に終わっちゃった。でも一泣きしたら、強がりじゃないけど、すっきりした。
あの日の夕方、聡志が訪ねて来たけど、お母さんに会いたくないって、伝言してもらった。松本先輩は去り、自分でも気付かないうちに、燻り続けていた聡志への思いも振り切った。さぁ、私はもう受験に全力投球。大学生になって、絶対に素敵な恋を見つけるんだから!
そう言えば、あいつ大学のセレクション受かったって、ウチのお母さんから聞いた。大学でも野球続けられるんだ、よかったね。でもおめでとうは、もう心の中でしか言わないよ。
なんてことを考えてたら、白鳥先輩が教室に入って来た。すると、教室が急にシンと静まり返り、まだチャイムも鳴ってないのに、みんなそそくさと席に戻って行く。
そんな不思議な光景を、私が内心可笑しく思っていると、山上先生が姿を現し、朝のSHRがスタートする。
先生の話を聞きながら、フッと後方の席に目をやると
(えっ?)
先輩が何やら、隣の悠に話し掛けたと思ったら、次になんと、お互いの机を近づけ出すと、ついにピッタリとくっつけた。意外な展開に、私が引き続き、チラチラ様子を伺ってると、どうやら教科書のない先輩が、悠に見せてくれるように頼んだみたい。
夏休みまでは先輩の復学を、心待ちにしていたはずの悠が、いざとなると私は受験生だからとか、私なんか先輩に相手にされるわけないからとか言って、すっかりお利口さんになってしまっていたけど、いきなりの急接近!
やったじゃん、悠。このキッカケを逃す手は絶対ないよ、応援しなくっちゃ。
私は1人で、盛り上がっていた。
そして白鳥先輩の存在が、悠だけでなく、私と聡志の関係にも変化をもたらすことになって行くとは、この時は、全く予想も出来なかった。
(あれ?)
なぜか聡志と沖田くんの周りに女子が何人か、群がっている。珍しい光景に、一瞬首を捻ったけど、すぐに気がついた。
(そうか、2人に白鳥先輩のこと、いろいろ取材してるのか。)
受験生にとって、胸突き八丁と言われる夏休みが過ぎ、いよいよスパートの時期を迎えたというのに、いやはや。
まぁ、私は松本先輩派だったけど、改めて見ると、やっぱり白鳥先輩はカッコいい。女子が浮き足立つのもわかるよね。
それにしても、人当たりのいい沖田くんならともかく、あのとっつきにくさでは定評のある聡志にまで、聞き込みしてるんだから、恋のパワーって凄いもんだな。
私の恋は実質何時間だったっけな?気がついたと思ったらあっという間に終わっちゃった。でも一泣きしたら、強がりじゃないけど、すっきりした。
あの日の夕方、聡志が訪ねて来たけど、お母さんに会いたくないって、伝言してもらった。松本先輩は去り、自分でも気付かないうちに、燻り続けていた聡志への思いも振り切った。さぁ、私はもう受験に全力投球。大学生になって、絶対に素敵な恋を見つけるんだから!
そう言えば、あいつ大学のセレクション受かったって、ウチのお母さんから聞いた。大学でも野球続けられるんだ、よかったね。でもおめでとうは、もう心の中でしか言わないよ。
なんてことを考えてたら、白鳥先輩が教室に入って来た。すると、教室が急にシンと静まり返り、まだチャイムも鳴ってないのに、みんなそそくさと席に戻って行く。
そんな不思議な光景を、私が内心可笑しく思っていると、山上先生が姿を現し、朝のSHRがスタートする。
先生の話を聞きながら、フッと後方の席に目をやると
(えっ?)
先輩が何やら、隣の悠に話し掛けたと思ったら、次になんと、お互いの机を近づけ出すと、ついにピッタリとくっつけた。意外な展開に、私が引き続き、チラチラ様子を伺ってると、どうやら教科書のない先輩が、悠に見せてくれるように頼んだみたい。
夏休みまでは先輩の復学を、心待ちにしていたはずの悠が、いざとなると私は受験生だからとか、私なんか先輩に相手にされるわけないからとか言って、すっかりお利口さんになってしまっていたけど、いきなりの急接近!
やったじゃん、悠。このキッカケを逃す手は絶対ないよ、応援しなくっちゃ。
私は1人で、盛り上がっていた。
そして白鳥先輩の存在が、悠だけでなく、私と聡志の関係にも変化をもたらすことになって行くとは、この時は、全く予想も出来なかった。