Smile  Again  〜本当の気持ち〜
でも私が応援するまでもなかったのかな。悠と先輩の距離は、傍から見てても、びっくりするくらい急テンポで近づいて行く。


もともと先輩が普通に卒業してたら、悠と出会うことはなかったはずだから、ひょっとしたらあの2人は赤い糸で結ばれてるのかも、そう思えてさえくる。


悠が先輩にゾッコンなのは、今に始まったことじゃないけど、見てると、先輩も悠にかなり好意を持ってるように見える。


先輩、悠がここまでフリーで残ってた幸運に感謝すべきです。こんないい子、なかなかいませんよ。親友の私が保証します。


だけど、物事はやっぱり、そう簡単には進まない。悠と先輩の接近を当然、快く思わない人達がいて、その中の何人かの女子が、悠と先輩の間を分断しようと、先輩の周りにたむろし始めた。


先輩もそんな彼女達を、特に迷惑がる様子も見せず、楽しそうに話してるから、結果、悠は学校では、ほとんど先輩と話も出来ない状況に。


それでも、私から見れば、教室の席は隣同士。予備校も同じになって、毎回一緒に帰ってるっていうから、悠が断然リードしてると思うんだけどなぁ・・・。


そうこうしてるうちに9月も中盤に差し掛かり、私達の学校は文化祭の時期が近づいて来た。


紆余曲折あったけど、クレープ屋さんを開くことになった我が3-A。私達3年生にとっては、事実上最後の学校イベントになるんだけど、残念ながら、みんなで力を合わせて、ガンバロウ!っていうふうには、なかなかならない。


受験を控えた大切な時期に、なんでこんなことに時間を割かれなきゃいけないのって思う人達がいて、それに反発する人達も当然居て、文化祭実行委員の加瀬卓也くんと長谷川菜摘さんは苦労していた。


そして、とうとう事件が起こった。
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