Smile Again 〜本当の気持ち〜
振替休日明けの学校で、私は悠から、顛末を聞いた。
手を繋いで、2人きりになれる場所に移動して、さぁって時に雨が降ってきて、全て台無しになってしまったことは、電話で聞いてたけど、昨日の夜、予備校の帰り道に、改めて先輩に言われたことは
「勉強教えてくれないか。」
だったそうで、私は思わず
「はぁ?」
と声を上げてしまった。悠も困惑しきりで、どうしたらいいのかわからない様子。とりあえずは励ましておいたけど、どうも話がややこしくなって来た。聡志の見立てはやはり正しかったのもしれない。
でも考えてみれば、文化祭が終わって、気が付けばもうすぐ中間試験。私達は再び勉強モードへスイッチを切り替えて、加速させていかないといけない。
先輩にも、そういう気持ちはあるんだろうな。そうじゃなきゃ、相手がいくら好きな子で、一緒にいたいという気持ちがあるにしても、年下に勉強教えてくれっていうのは、なかなか言えないような気がする。
そうだよ、私も勉強しないと。私は悠ほど出来ないから。大切な親友の恋は応援したいけど、そればかりに熱中してるわけにはいかない。
そうだ、そう言えば今日までの塾の宿題がまだ終わってないんだ。気が付いた私は、家路を急ぐ。すると
「由夏。」
と後ろから追い掛けて来る声がする。振り返るまでもない、聡志だ。
「一緒に帰ろうぜ。」
こないだまでが嘘のように、急に幼なじみ感満載の聡志。一体どうしたんだろうと思っちゃう。何の返事もしてないのに、当たり前のように私の右側に並んで来るし。
「なぁ。お前、ひょっとしたら後夜祭、ぼっちだった?」
「えっ?」
うわっ、それ言わないでよ。結構傷ついてるんだけど。
「水木、先輩といたからな。」
私の心の中になんか、構うことなく、聡志は続ける。
「知ってたんだ?」
「あぁ。ちょうど、雨で校舎に逃げ込もうとしたら、2人も仲良く手繋いで、走ってた。でもさ。」
「何?」
「その割には、今日あの2人、今までと雰囲気変わってなかったよな。どうなってるんだろう?」
なるほど、聡志はそれを私に聞きたくって、追っ掛けて来たのか。私は悠からいろいろ報告や相談を受けてるけど、先輩は当然、後輩の聡志に相談なんかしないだろうし、聡志の方からも聞きづらいだろう。
私が、悠から聞いた内容をかいつまんで、説明してやると、聡志もさすがに首を捻った。
手を繋いで、2人きりになれる場所に移動して、さぁって時に雨が降ってきて、全て台無しになってしまったことは、電話で聞いてたけど、昨日の夜、予備校の帰り道に、改めて先輩に言われたことは
「勉強教えてくれないか。」
だったそうで、私は思わず
「はぁ?」
と声を上げてしまった。悠も困惑しきりで、どうしたらいいのかわからない様子。とりあえずは励ましておいたけど、どうも話がややこしくなって来た。聡志の見立てはやはり正しかったのもしれない。
でも考えてみれば、文化祭が終わって、気が付けばもうすぐ中間試験。私達は再び勉強モードへスイッチを切り替えて、加速させていかないといけない。
先輩にも、そういう気持ちはあるんだろうな。そうじゃなきゃ、相手がいくら好きな子で、一緒にいたいという気持ちがあるにしても、年下に勉強教えてくれっていうのは、なかなか言えないような気がする。
そうだよ、私も勉強しないと。私は悠ほど出来ないから。大切な親友の恋は応援したいけど、そればかりに熱中してるわけにはいかない。
そうだ、そう言えば今日までの塾の宿題がまだ終わってないんだ。気が付いた私は、家路を急ぐ。すると
「由夏。」
と後ろから追い掛けて来る声がする。振り返るまでもない、聡志だ。
「一緒に帰ろうぜ。」
こないだまでが嘘のように、急に幼なじみ感満載の聡志。一体どうしたんだろうと思っちゃう。何の返事もしてないのに、当たり前のように私の右側に並んで来るし。
「なぁ。お前、ひょっとしたら後夜祭、ぼっちだった?」
「えっ?」
うわっ、それ言わないでよ。結構傷ついてるんだけど。
「水木、先輩といたからな。」
私の心の中になんか、構うことなく、聡志は続ける。
「知ってたんだ?」
「あぁ。ちょうど、雨で校舎に逃げ込もうとしたら、2人も仲良く手繋いで、走ってた。でもさ。」
「何?」
「その割には、今日あの2人、今までと雰囲気変わってなかったよな。どうなってるんだろう?」
なるほど、聡志はそれを私に聞きたくって、追っ掛けて来たのか。私は悠からいろいろ報告や相談を受けてるけど、先輩は当然、後輩の聡志に相談なんかしないだろうし、聡志の方からも聞きづらいだろう。
私が、悠から聞いた内容をかいつまんで、説明してやると、聡志もさすがに首を捻った。