Smile Again 〜本当の気持ち〜
いつものように昼休みに屋上に来た私達。でも今日は、朝から様子のおかしい悠から話を聞かないと。
まず、昨日の加瀬くんの呼び出しはやはり告白で、ちょっと危ない目にも合いかけたけど、なんと聡志が助けてくれたんだって。
「私が付いてってあげればよかった、ゴメンね。でも聡志もたまには役に立つじゃない。後で誉めてやろう。」
その言葉に加奈がクスリと笑ったけど、これは聡志のファインプレ-だよね。本当に後でお礼を言わなくちゃ。
でも悠が先輩と口を利かないのは、それが理由とは思えない。更に話を聞いて行くと、悠は
「先輩は今の私にとって『憧れの人』じゃなくて『好きな人』。」
とはっきり言った。おお、遂に宣言したかと、内心拍手を送ってたら
「でも昨日わかっちゃったんだけど、先輩の心の中には別の人がいる。でもその人にはちゃんと恋人がいて、だから先輩が私に興味を持ってくれてたとしても、それはあくまでその人の代わりにってことなの。人間って贅沢だよね、ついこの間まで、遠くから見つめてればいいと思ってたくせに、もう2番目じゃ嫌なんだもん。」
あまりに意外な悠の言葉に、私も加奈も驚いて声も出ない。そして
「悔しいけど、諦めます。」
とキッパリ悠が言い切った時、私達は思わず顔を見合わせてしまった。
「本気なの?」
ようやくそう聞いた私に
「うん。先輩と加瀬くんから、私は人を好きになることの大切さを教えてもらった。その経験を活かして、次のステップに進む為に・・・勉強頑張ります!」
何か吹っ切れたように、爽やかに言う悠に、私が言葉を失っていると
「それでいいの?」
「えっ?」
「それってちょっと違うと思うんだけど。」
加奈だ。
「人を好きになるってことが、どういうことか気づいたのに、先輩の事、ホントに好きだって気づいたのに、諦めちゃうなんておかしくない?」
「だって私、スペアは嫌だもん。」
「だったら、まず1番目になる努力をすべきなんじゃない?そんな恋人のいる人に怖気づいて、諦めちゃうって悠ちゃん、絶対おかしいよ。」
先輩に慕いを寄せてるってことでは、悠のライバルのはずの加奈が懸命に悠を諭す姿にちょっと感動しながら、私も
「私も加奈に賛成、悠の結論は支離滅裂だよ。」
と続く。私達2人のダメ出しに押され気味ながら、悠は
「だって、今はそんな時間ないじゃん。」
と反撃するけど
「それって逃げてるだけだよ。」
と加奈に決めつけられて、言葉を失う。ここで昼休みが終わってしまって、私達は教室に戻ったけど、結局悠は、それからも先輩を完全無視。意外と頑固なんだな、あの子。
「ねぇ由夏、先輩の心の中に悠ちゃん以外の子がいると思える?」
帰り道、駅まで一緒の加奈が私に言った言葉が、あまりにも印象的だった。
まず、昨日の加瀬くんの呼び出しはやはり告白で、ちょっと危ない目にも合いかけたけど、なんと聡志が助けてくれたんだって。
「私が付いてってあげればよかった、ゴメンね。でも聡志もたまには役に立つじゃない。後で誉めてやろう。」
その言葉に加奈がクスリと笑ったけど、これは聡志のファインプレ-だよね。本当に後でお礼を言わなくちゃ。
でも悠が先輩と口を利かないのは、それが理由とは思えない。更に話を聞いて行くと、悠は
「先輩は今の私にとって『憧れの人』じゃなくて『好きな人』。」
とはっきり言った。おお、遂に宣言したかと、内心拍手を送ってたら
「でも昨日わかっちゃったんだけど、先輩の心の中には別の人がいる。でもその人にはちゃんと恋人がいて、だから先輩が私に興味を持ってくれてたとしても、それはあくまでその人の代わりにってことなの。人間って贅沢だよね、ついこの間まで、遠くから見つめてればいいと思ってたくせに、もう2番目じゃ嫌なんだもん。」
あまりに意外な悠の言葉に、私も加奈も驚いて声も出ない。そして
「悔しいけど、諦めます。」
とキッパリ悠が言い切った時、私達は思わず顔を見合わせてしまった。
「本気なの?」
ようやくそう聞いた私に
「うん。先輩と加瀬くんから、私は人を好きになることの大切さを教えてもらった。その経験を活かして、次のステップに進む為に・・・勉強頑張ります!」
何か吹っ切れたように、爽やかに言う悠に、私が言葉を失っていると
「それでいいの?」
「えっ?」
「それってちょっと違うと思うんだけど。」
加奈だ。
「人を好きになるってことが、どういうことか気づいたのに、先輩の事、ホントに好きだって気づいたのに、諦めちゃうなんておかしくない?」
「だって私、スペアは嫌だもん。」
「だったら、まず1番目になる努力をすべきなんじゃない?そんな恋人のいる人に怖気づいて、諦めちゃうって悠ちゃん、絶対おかしいよ。」
先輩に慕いを寄せてるってことでは、悠のライバルのはずの加奈が懸命に悠を諭す姿にちょっと感動しながら、私も
「私も加奈に賛成、悠の結論は支離滅裂だよ。」
と続く。私達2人のダメ出しに押され気味ながら、悠は
「だって、今はそんな時間ないじゃん。」
と反撃するけど
「それって逃げてるだけだよ。」
と加奈に決めつけられて、言葉を失う。ここで昼休みが終わってしまって、私達は教室に戻ったけど、結局悠は、それからも先輩を完全無視。意外と頑固なんだな、あの子。
「ねぇ由夏、先輩の心の中に悠ちゃん以外の子がいると思える?」
帰り道、駅まで一緒の加奈が私に言った言葉が、あまりにも印象的だった。