Smile  Again  〜本当の気持ち〜
こうして、1日1日が過ぎて行く。本格的に授業もスタ-トし、私達の学校生活は、徐々に通常運行になりつつあった。


一方、私と聡志の間には、なにもない。少なくとも、私の方には、避けてる意識はないんだけど、あれから特に顔を合わせることもなかった。B組とF組と教室はちょっと離れているし、クラスを越えた交流が始まるほど、私たちもまだ学校生活に慣れてはいなかった。


そんな中、いよいよ、部活を決める期限が近付いて来ていた。


私は悠と一緒に、いろんな部活を見て回り、時には体験させてもらったが、中学時代にやっていたバレ-ボ-ルを含めて、私の心を動かす部活には、巡り合えなかった。たった1つ野球部のマネ-ジャ-を除いては・・・。


悠も入るなら野球部、どうやらそう決めたようだった。そして、今日は入部届の提出期限。私達はグラウンドに足を運んだ。


「由夏、どうしようか?」


悠が、私の顔を覗き込むように聞く。


「うん・・・。」


最初は乗り気だったはずの私の方が、煮え切らない態度になって、悠は戸惑いを隠せない。


グラウンドには、来るたびに新しい顔が増えて行く。やはり夏春連覇の威光は凄い、私達のクラスメイトの顔も見える。


だけど、その一方で女子マネの入部希望者が現れているようには、見えない。相変わらず、グラウンドの周りを大勢の女子が取り囲んでるけど、ギャラリ-以上の立場に踏み込もうという子はいないようだ。


私達が、ううん私が決心すれば、入部できる。
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