Smile Again 〜本当の気持ち〜
悠とは、駅で一緒になったから、そのまま学校へ。ずっとハイテンションで話しっ放しの私達を、行きかう人の中には、迷惑に思う人もいたかもしれないけど、今日は勘弁してね。
学校に着くと、そのまま職員室へ。私達の報告を、山上先生は本当に嬉しそうに聞いてくれた。じゃ、明日から待ってるから、という先生の言葉に送られて、職員室を出た私達に
「あれ?水木さんと岩武さんじゃん。」
と声を掛けてくれる人がいる。
「沖田くん。」
振り返ると制服姿の沖田くんだ。
「2人とも合格報告だね、おめでとう。」
「ありがとう。もう学校来てるってことは沖田くんもおめでとうだね。」
「うん、ありがとう。」
笑顔を交わし合う私達。
「塚原は、もうグラウンドに行ったよ。後輩達の学年末試験が終わると、僕達の追い出し試合があるんで、あいつ張り切ってるから。」
「そっか・・・沖田くんは行かないの?」
「アイツと違って、ブランク長くて、実は筋肉痛で。情けない話だけどさ。もう少し経ってから行くよ。」
苦笑いの沖田くん。そんな彼に私は聞く。
「沖田くんは、本当に野球辞めちゃうの?」
「うん、未練がないと言えば、正直嘘になる。でもお陰様で、甲子園に3度も出られたし、やり切ったっていう気持ちの方が強いかな?あとは塚原と神に、僕の見果てぬ夢を託して、新しい道を歩んで行くことにするよ。」
「そっか・・・。」
「だから追い出し試合が僕にとっては、正真正銘の最後の試合。松本さんはいないし、白鳥さんも遠慮して出ないって言ってるみたいだから、つまんないかもしれないけど、良かったら見に来てよ。」
「もちろん行くよ。楽しみにしてる。」
「徹くんにも代打でもいいから出るように、言っとくから。」
そんな私達の言葉に嬉しそうに頷いた沖田くんは、私達に手を挙げると、離れていく。
「そうだよね。受験も終わって、もう卒業式まで1ヶ月ないんだもんね。」
「うん、明日から残り少ない高校生活、エンジョイしないとね。」
時計を見ると12時をとうに過ぎている。空腹を覚えた私達は、学食で昼食を摂ることにする。
「合格のお祝いにしては、ちょっと質素じゃない?」
「それはまた後日というということで。とりあえず、今はお腹を満たしましょう。」
悠にとっては、お祝いより当面の空腹回避の方が、先決のようだ。食べながら、ふっと気になって、携帯を見ると、メ-ルが入っている。開いてみると
『おめでとう、よかったな。学校で待ってるから。』
と短いメールが、聡志からだ。少し前に入ってたみたいだけど、悠と話すのに夢中で、気がつかなかった。
『ありがとう。今、学食でお昼食べてるから、あとでグラウンド寄るね。』
返信して前を見ると、悠が私をじっと見ている。
「メール、塚原くんから?」
「うん。」
「そっか、やっぱりね。」
「どうして?」
「メールしてる時の由夏の顔が、凄く嬉しそうだったから。」
「えっ?」
悠、何言ってるの?戸惑う私に
「受験も終わったんだし、由夏もそろそろ、自分の気持ちに素直になった方がいいんじゃないかな?」
「悠・・・。」
優しく微笑む悠の顔を、私はしばし見つめてしまった。
学校に着くと、そのまま職員室へ。私達の報告を、山上先生は本当に嬉しそうに聞いてくれた。じゃ、明日から待ってるから、という先生の言葉に送られて、職員室を出た私達に
「あれ?水木さんと岩武さんじゃん。」
と声を掛けてくれる人がいる。
「沖田くん。」
振り返ると制服姿の沖田くんだ。
「2人とも合格報告だね、おめでとう。」
「ありがとう。もう学校来てるってことは沖田くんもおめでとうだね。」
「うん、ありがとう。」
笑顔を交わし合う私達。
「塚原は、もうグラウンドに行ったよ。後輩達の学年末試験が終わると、僕達の追い出し試合があるんで、あいつ張り切ってるから。」
「そっか・・・沖田くんは行かないの?」
「アイツと違って、ブランク長くて、実は筋肉痛で。情けない話だけどさ。もう少し経ってから行くよ。」
苦笑いの沖田くん。そんな彼に私は聞く。
「沖田くんは、本当に野球辞めちゃうの?」
「うん、未練がないと言えば、正直嘘になる。でもお陰様で、甲子園に3度も出られたし、やり切ったっていう気持ちの方が強いかな?あとは塚原と神に、僕の見果てぬ夢を託して、新しい道を歩んで行くことにするよ。」
「そっか・・・。」
「だから追い出し試合が僕にとっては、正真正銘の最後の試合。松本さんはいないし、白鳥さんも遠慮して出ないって言ってるみたいだから、つまんないかもしれないけど、良かったら見に来てよ。」
「もちろん行くよ。楽しみにしてる。」
「徹くんにも代打でもいいから出るように、言っとくから。」
そんな私達の言葉に嬉しそうに頷いた沖田くんは、私達に手を挙げると、離れていく。
「そうだよね。受験も終わって、もう卒業式まで1ヶ月ないんだもんね。」
「うん、明日から残り少ない高校生活、エンジョイしないとね。」
時計を見ると12時をとうに過ぎている。空腹を覚えた私達は、学食で昼食を摂ることにする。
「合格のお祝いにしては、ちょっと質素じゃない?」
「それはまた後日というということで。とりあえず、今はお腹を満たしましょう。」
悠にとっては、お祝いより当面の空腹回避の方が、先決のようだ。食べながら、ふっと気になって、携帯を見ると、メ-ルが入っている。開いてみると
『おめでとう、よかったな。学校で待ってるから。』
と短いメールが、聡志からだ。少し前に入ってたみたいだけど、悠と話すのに夢中で、気がつかなかった。
『ありがとう。今、学食でお昼食べてるから、あとでグラウンド寄るね。』
返信して前を見ると、悠が私をじっと見ている。
「メール、塚原くんから?」
「うん。」
「そっか、やっぱりね。」
「どうして?」
「メールしてる時の由夏の顔が、凄く嬉しそうだったから。」
「えっ?」
悠、何言ってるの?戸惑う私に
「受験も終わったんだし、由夏もそろそろ、自分の気持ちに素直になった方がいいんじゃないかな?」
「悠・・・。」
優しく微笑む悠の顔を、私はしばし見つめてしまった。