Smile Again 〜本当の気持ち〜
「とにかくウチの両親、本当に仲悪くって。なんで結婚したの?なんで子供2人も出来たの?って思うくらい、毎日のように、ケンカしてて。私達の前でもお構いなしで・・・。ほんとに辛かった。家に帰るのが、とにかく嫌で、でも他に行くとこもなくて・・・。」
そうだったのか・・・。俺もその気持ちはわかる。ウチの場合は、両親の仲は良かったけど、父親は仕事がうまくいかずに悩み、母親と俺は新しい環境に、なかなか馴染めず、母親は段々体調を崩して行った。思い出したくもない日々だ。
「それでも私は女の子だから、仕方なく家に帰ってたけど、お兄ちゃんは段々、家に寄り付かなくなって・・・。それで今度は親子ケンカが始まって・・・。お兄ちゃんも塚原くんや後輩の人に、悪いことしてるって自覚はあったはず。でも、心が病んでた当時のお兄ちゃんには、ブレ-キが効かなかったんだと思う。そんなお兄ちゃんや両親を見て、でも私は泣くことしか出来なかった・・・。」
「・・・。」
「結局、もうこれ以上、一緒にいても、みんなが不幸になるだけ。そう結論付けて、両親が別居したのが、私が中2の夏休みの時。私はお母さんに、お兄ちゃんはお父さんに付いて行って、私達は兄妹なのに、それからは学校でしか会えなくなった。」
当たり前だけど、俺は全く知らなかった。
「正式に離婚したのは、翌年の春、お兄ちゃんの受験が終わるのを待って。その後、私の受験もあったんだけど、もうズルズルしてても意味ないからって。お兄ちゃんは仙台に残り、私はお母さんの実家のある神奈川へ。中3の大事な時期に転校や転居なんて、嫌だったけれど、お父さんに付いて行くのも嫌だったから・・・。私が塩崎菜摘からお母さんの姓である長谷川菜摘になったのは、それから。」
「そうだったんだ・・・大変だったな。」
「そして1年後、明協高校に入った私はビックリした。だって、仙台にいるとばかり思ってた塚原くんがいるんだもん。」
「長谷川は俺のこと、知ってたの?」
「うん。私、野球部の練習、たまに見に行ってたし。速いボ-ル投げる人だなぁって、お兄ちゃんが嫉妬するのも仕方ないなぁって。」
「そうか?」
俺は照れ笑いとも苦笑いともつかない笑いを浮かべてしまう。
「だから、私申し訳ないと思ってた。塚原くんがピッチャ-辞めたの、お兄ちゃんのせいだし。」
「それは違うよ。塩崎さんといろいろあったのは事実だけど、俺がピッチャ-辞めなきゃならなくなったのは、あくまで俺のせいだし、まして長谷川が悪いなんて思う必要なんて、どこにもないよ。」
慌てて俺は言うけど、黙って首を横に振る長谷川。
「長谷川・・・。」
そうだったのか・・・。俺もその気持ちはわかる。ウチの場合は、両親の仲は良かったけど、父親は仕事がうまくいかずに悩み、母親と俺は新しい環境に、なかなか馴染めず、母親は段々体調を崩して行った。思い出したくもない日々だ。
「それでも私は女の子だから、仕方なく家に帰ってたけど、お兄ちゃんは段々、家に寄り付かなくなって・・・。それで今度は親子ケンカが始まって・・・。お兄ちゃんも塚原くんや後輩の人に、悪いことしてるって自覚はあったはず。でも、心が病んでた当時のお兄ちゃんには、ブレ-キが効かなかったんだと思う。そんなお兄ちゃんや両親を見て、でも私は泣くことしか出来なかった・・・。」
「・・・。」
「結局、もうこれ以上、一緒にいても、みんなが不幸になるだけ。そう結論付けて、両親が別居したのが、私が中2の夏休みの時。私はお母さんに、お兄ちゃんはお父さんに付いて行って、私達は兄妹なのに、それからは学校でしか会えなくなった。」
当たり前だけど、俺は全く知らなかった。
「正式に離婚したのは、翌年の春、お兄ちゃんの受験が終わるのを待って。その後、私の受験もあったんだけど、もうズルズルしてても意味ないからって。お兄ちゃんは仙台に残り、私はお母さんの実家のある神奈川へ。中3の大事な時期に転校や転居なんて、嫌だったけれど、お父さんに付いて行くのも嫌だったから・・・。私が塩崎菜摘からお母さんの姓である長谷川菜摘になったのは、それから。」
「そうだったんだ・・・大変だったな。」
「そして1年後、明協高校に入った私はビックリした。だって、仙台にいるとばかり思ってた塚原くんがいるんだもん。」
「長谷川は俺のこと、知ってたの?」
「うん。私、野球部の練習、たまに見に行ってたし。速いボ-ル投げる人だなぁって、お兄ちゃんが嫉妬するのも仕方ないなぁって。」
「そうか?」
俺は照れ笑いとも苦笑いともつかない笑いを浮かべてしまう。
「だから、私申し訳ないと思ってた。塚原くんがピッチャ-辞めたの、お兄ちゃんのせいだし。」
「それは違うよ。塩崎さんといろいろあったのは事実だけど、俺がピッチャ-辞めなきゃならなくなったのは、あくまで俺のせいだし、まして長谷川が悪いなんて思う必要なんて、どこにもないよ。」
慌てて俺は言うけど、黙って首を横に振る長谷川。
「長谷川・・・。」