Smile Again 〜本当の気持ち〜
「で、結局、またケンカ別れ?」
「うん。」
「はぁ。」
翌日、私と聡志の様子が相変わらずなのを気にした、加奈と悠に事情聴取された私が、昨日の顛末を素直に話すと、加奈が大きなため息をついた。
「全く、せっかく私達が気を遣ってあげたのに、あなた達ときたら・・・。」
「でもさ、聡志が悪いんだよ。あまりにもデリカシ-がないと思わない?」
「それは、確かに塚原くんもどうかとは思うけどさ・・・。」
「やっぱり由夏も・・・大人げないと思う。」
親友2人の反応が心外で、私は声を荒げる。
「ちょっと悠、私のどこが大人げないのよ。」
「何度も言うけど、由夏はいい加減、自分の気持ちに素直になった方がいいよ。」
「うんうん。」
「ちょっと待って。なんか2人は、私が聡志の事、好きだって決めつけてるけど、冗談じゃないよ。本当に。」
言い募る私に、2人は呆れたような視線を向ける。
「由夏、それ本気で言ってるの?」
「当たり前じゃない、誰があんな奴を。だいたい、あいつはさ、小学校の時も、ずっと仲良くしてたのに、突然口きいてくれなくなるし、こっちへ帰って来たって、私がいくら話し掛けたって、ずっとまともな返事もしてくれなかったんだよ。とんでもない奴だと思わない?」
「それでも、最近は、仲良さそうにしてたじゃん。」
「それは・・・ちょっと年末にあいつに恩義を受けて・・・。」
「恩義?」
そして、2人の好奇心に負けて、私はあの3連休での出来事を話してしまった。目を丸くする2人。
「それってさ、由夏・・・。」
「凄いことじゃない?」
「そう、かな・・・?」
「だって、そんな状況で、由夏は塚原くんを呼んだんでしょ?」
「あいつしか、頼める人いなかったんだもん。」
「でも、塚原くんと一晩、2人っきりだったんでしょ?何が起こっても、不思議じゃない状況じゃん。なのに由夏は塚原くんを頼って、塚原くんは、そんな由夏の信頼に応えたんでしょ?」
「うん・・・。」
「それでも、2人の間には、何もないって言うの?」
「それとこれとは話が別だよ。」
言い張る私に、加奈は再びため息。
「ねぇ、由夏。」
今度は悠が話し始める。
「去年、みどりさんが由夏に、自分の気持ちに素直になった方がいいって言った時、私はビックリしたんだけど、少し経って、意味がわかったんだ。」
「・・・。」
「由夏は松本先輩が好きだったよね。」
「うん。」
「じゃ、なんで告白しなかったの?」
「えっ?」
悠に真っ直ぐに聞かれて、驚く。
「だって勇気がなかったんだもん。」
「ウソ。」
「悠・・・。」
「由夏は、私とは違うよ。私は本当に徹くんに何も言えなかった。カレカノになれたのが、未だに信じられないよ。でも由夏は違う、由夏は自分の気持ちをちゃんと伝えることが出来る子。だって、松本先輩が帰って来た時、由夏はちゃんと自分の意思を示したじゃない。だから、例え松本先輩に彼女が居ても、振られるとわかっていても、絶対に自分の想いは伝えようとしたはず。」
「それとこれとは・・・。」
「最後まで聞いて。由夏は分かってたんだよ。自分の心の中にいる人が、本当は松本先輩じゃないって。でもそれが誰か気づいていなかっただけ。でも今の由夏は気づいたんだよ、それが誰か。だからクリスマスの時、塚原くんを・・・。」
「止めて!」
私は思わず叫んでいた。
「悠、私、そんなに強くないよ。それに松本先輩への思いをいい加減みたいに言われるのは、いくら悠でも、ちょっと許せないな。」
「由夏・・・。」
「わかった。そこまで意地張るんじゃ、仕方ないね。でも由夏、知らないからね。あとで後悔しても。」
そう言う加奈の視線の先を見ると、そこには、楽しそうに何か話している聡志と長谷川さんの姿が。
「別に意地張ってるわけじゃないし。誰が誰と話そうと、出かけようと自由じゃん。それにしても、長谷川さんは見る目ないと思うけどね。さ、行こう。」
私は2人を促すように立ちあがった。
「うん。」
「はぁ。」
翌日、私と聡志の様子が相変わらずなのを気にした、加奈と悠に事情聴取された私が、昨日の顛末を素直に話すと、加奈が大きなため息をついた。
「全く、せっかく私達が気を遣ってあげたのに、あなた達ときたら・・・。」
「でもさ、聡志が悪いんだよ。あまりにもデリカシ-がないと思わない?」
「それは、確かに塚原くんもどうかとは思うけどさ・・・。」
「やっぱり由夏も・・・大人げないと思う。」
親友2人の反応が心外で、私は声を荒げる。
「ちょっと悠、私のどこが大人げないのよ。」
「何度も言うけど、由夏はいい加減、自分の気持ちに素直になった方がいいよ。」
「うんうん。」
「ちょっと待って。なんか2人は、私が聡志の事、好きだって決めつけてるけど、冗談じゃないよ。本当に。」
言い募る私に、2人は呆れたような視線を向ける。
「由夏、それ本気で言ってるの?」
「当たり前じゃない、誰があんな奴を。だいたい、あいつはさ、小学校の時も、ずっと仲良くしてたのに、突然口きいてくれなくなるし、こっちへ帰って来たって、私がいくら話し掛けたって、ずっとまともな返事もしてくれなかったんだよ。とんでもない奴だと思わない?」
「それでも、最近は、仲良さそうにしてたじゃん。」
「それは・・・ちょっと年末にあいつに恩義を受けて・・・。」
「恩義?」
そして、2人の好奇心に負けて、私はあの3連休での出来事を話してしまった。目を丸くする2人。
「それってさ、由夏・・・。」
「凄いことじゃない?」
「そう、かな・・・?」
「だって、そんな状況で、由夏は塚原くんを呼んだんでしょ?」
「あいつしか、頼める人いなかったんだもん。」
「でも、塚原くんと一晩、2人っきりだったんでしょ?何が起こっても、不思議じゃない状況じゃん。なのに由夏は塚原くんを頼って、塚原くんは、そんな由夏の信頼に応えたんでしょ?」
「うん・・・。」
「それでも、2人の間には、何もないって言うの?」
「それとこれとは話が別だよ。」
言い張る私に、加奈は再びため息。
「ねぇ、由夏。」
今度は悠が話し始める。
「去年、みどりさんが由夏に、自分の気持ちに素直になった方がいいって言った時、私はビックリしたんだけど、少し経って、意味がわかったんだ。」
「・・・。」
「由夏は松本先輩が好きだったよね。」
「うん。」
「じゃ、なんで告白しなかったの?」
「えっ?」
悠に真っ直ぐに聞かれて、驚く。
「だって勇気がなかったんだもん。」
「ウソ。」
「悠・・・。」
「由夏は、私とは違うよ。私は本当に徹くんに何も言えなかった。カレカノになれたのが、未だに信じられないよ。でも由夏は違う、由夏は自分の気持ちをちゃんと伝えることが出来る子。だって、松本先輩が帰って来た時、由夏はちゃんと自分の意思を示したじゃない。だから、例え松本先輩に彼女が居ても、振られるとわかっていても、絶対に自分の想いは伝えようとしたはず。」
「それとこれとは・・・。」
「最後まで聞いて。由夏は分かってたんだよ。自分の心の中にいる人が、本当は松本先輩じゃないって。でもそれが誰か気づいていなかっただけ。でも今の由夏は気づいたんだよ、それが誰か。だからクリスマスの時、塚原くんを・・・。」
「止めて!」
私は思わず叫んでいた。
「悠、私、そんなに強くないよ。それに松本先輩への思いをいい加減みたいに言われるのは、いくら悠でも、ちょっと許せないな。」
「由夏・・・。」
「わかった。そこまで意地張るんじゃ、仕方ないね。でも由夏、知らないからね。あとで後悔しても。」
そう言う加奈の視線の先を見ると、そこには、楽しそうに何か話している聡志と長谷川さんの姿が。
「別に意地張ってるわけじゃないし。誰が誰と話そうと、出かけようと自由じゃん。それにしても、長谷川さんは見る目ないと思うけどね。さ、行こう。」
私は2人を促すように立ちあがった。